「精霊の池」、猪熊佳子先生画
日展、改組新第4回日展京都展へ1月12日、午後、猪熊佳子先生の作品鑑賞に京都市美術館別館へ楽しみにして出かけた。ここ数日こちら神戸も寒い日が続いているが、さすがに京都。この日は底冷えのする寒さだった。
猪熊佳子先生から入場券をいただいていたがなかなかチャンスがなく、最終日訪問となった。日本画の会場から順番に道一つ隔てた別の会場で書、洋画、彫刻、工芸美術作品を堪能した。さすがに日展である。力作ぞろいだった。
猪熊佳子先生は「森の絵の作家」としても有名だ。淡い緑色が特徴で、「あっ、猪熊先生の絵だ」と、会場一階に入るなり分かった。絵の前に立ち止まってスケッチした。
「精霊の池」という題がついていた。絵の足元から中心に池があり、遠くに白樺の森が続いていた。池の中に沈んだ倒木が透けて見えた。沢山の魚が泳いでいた。
帰宅後、猪熊佳子先生に電話させていただいて、取材された場所と魚の名前をお聞きした。場所は北海道清里町にある「神の子池」、魚の名前は、オショロコマ、イワナの仲間とのことだった。
「摩周湖(カムイトー=神の湖)の伏流水から出来た池で、「神の子」池と呼ばれる。周囲220m,水深5m、水が澄んでいるので底まで見えるのだそうだ。
幻想的な風景が絵に展開されていた。猪熊先生はご自身の絵に「精霊の池」と名付けられており、大いに納得した。一度訪れてみたいとは思うが、正直、そこまでの元気はない。(了)
江嵜企画 : 江嵜 健一郎