菓子メーカーM社株主総会風景
江嵜企画代表・Ken
神戸に1931年に誕生した菓子メーカーM社の株主総会が4月25日午前10時から六甲アイランドにあるベイシエラトンホテルで開かれ楽しみにして出かけた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
平成29年2月~同30年1月期の売上296億円(前期比1.5%増)と3期連続で増収を記録した。生産性向上により売り上げ原価が改善、営業利益24億円(前期比20%増)、純利益16.5億円(同35%増)と業績は好調、今期年間配当を100円に増配されることがこの日の株主総会で承認された。
M社は1932年にバレンタインチョコレートを発売した。チョコレートメーカーとして知られているが、カスタードプリンなどの洋生菓子や焼き菓子などの健闘が当社の業績を支えている。
当期の事業報告のあと恒例の株主からの質問の時間に入った。男性5人、女性3人計8人ほどの株主が質問した。
1番に手を上げた男性は「朝5時に起きて名古屋からやってきた。」と口火を切り「昨年総会に参加した時、従業員の待遇を良くしてほしいと訴えた。それが実現したことが日経に掲載されていた。嬉しかった。」とエールを送った。社長さんから「大手企業さんと比べればまだまだのレベルだが賃上げ2%以上を実行した。併せベースアップも決めた」と答えた。
2番手に僭越ながら筆者が手を上げた。「将棋の藤井六段はAI(人口知能)を生かすことによって好成績を上げている。当社のAIの対応の現状について。今一つ、今年入社した新入社員はなぜ当社を希望したのかについて併せお聞きしたい。」と話した。
AIについては社長さんから「AIは、猛烈なスピードで実用化が進みつつあると認識している。昨年AI担当窓口を立ち上げた。具体的にどのようなところにAIが応用可能かについて作業を開始したところだ。ただ、現段階では詰め合わせ作業工程の合理化など部分的対応にとどまっている。」と答えた。新入社員の件については「当社の製品を食べたらおいしかった。それで当社を選んだという意見があり、嬉しかった。」と答えた。
3番目に男性が手を上げた。「3期連続増収となった。ご同慶の至りだが、この先続けられるのか」と聞いた。
社長さんは「昨年は出来すぎ。日本全国で多くの店舗が閉鎖を余儀なくされる厳しい状況に置かれている。この先、消費税引き上げも控えている。ベクトルを変えて、利益重視で乗り切りたい。原価を下げるために効率を上げなければならない。西神工場改装に16億円投資したのもそのためだ。百貨店などの閉鎖も考え、今後は、国内需要はより厳しくなる。一方、海外需要を拡大させる。香港、台湾、上海、ドバイに続き、昨年11月にはシンガポールに新店舗をオープンした。新たにマカオでの出店舗を計画している。」と答えた。
4番目に手を上げたご婦人は「社長さん含め6人の取締役さんが選任される。ぜひとも6人皆様のお話を聞かせてほしい」と話した。社長さん含め6人全員が将来に向けた抱負を力強く語った。
余談ながら最寄り駅、阪神電車「御影駅」南に元自転車置き場などだった場所が整備され、バレンタイン広場が2013年に出来た。バレンタイン発祥の地、イタリア、テルニ市にちなんだモニュメントが建っている。最寄りお越しの向きは、お立ち寄りいただけるとありがたい。(了)