ロシア通貨のルーブルが対ドルで、36.55ルーブルへ新安値を更新した。ユーロとドルで構成されるバスケット指数に対しては、41ルーブルの下限を設けているが、40.77ルーブルへ下限一杯まで値下がりしたとWSJ紙は報じている。
メドベージェフ大統領と麻生首相が天然ガスサハリン2の開所式でにこやかに握手している映像が今朝の日本のテレビに写っていた。日本の首相がロシアへ行けば領土問題と相場は決まっている。今回は違っていた。
今朝のNHK・BS「おはよう世界」でロシア国営テレビRTRを見ていると領土問題という言葉は一言もなかった。サハリン2で生産される天然ガスの60%が日本向けだとNHKのアナウンサーが紹介していた。プーチン首相が5月に来日予定だから餌(領土問題)はその時使うのだろう。
ルーブルも大変だが、東ヨーロッパの通貨が対ユーロで軒並み暴落している。ハンガリー・フロントが史上最安値を更新した。ポーランドのズロチは、昨年8月から33%下げ、最安値圏で取引されたと2月18日付けのWSJ紙は報じている。
中央アジアのカザフスタン中央銀行に取り付け騒ぎのうわさが広がっている。ウクライナの今年1月の鉱工業生産は、昨年12月の16%減を上回る比率の昨年比34%減少した。天然ガスをロシアに止められたことがそのまま影響したとWSJ紙は解説している。
デンマークのDanske Bank グループのチーフアナリストのラース・クリステンセン氏は「今回の東ヨーロッパ通貨の暴落は、1997年のアジア通貨危機と酷似している。大きく依存していた外国からの資金が一斉に引き上げたことが引き金で起こったタイバーツの暴落とそのまま重なる。」と指摘している。
インタナショナル・ファイナンス機関の調べによれば、西欧から東ヨーロッパへ流れる資金が、2008年の2,540億ドルから今年300億ドルへ急減少すると予測している。2008年9月時点の東欧へのバランスはオーストリー2,770憶ドル、ドイツ2,199億ドル、イタリ―2,196億ドル,フランス1,551億ドル、ベルギー1,367億ドルなどと続いているが彼らが一斉に資金を引き上げ始めた。
東欧諸国の通貨価値の暴落で借金返済額が急拡大した。カザフスタン中央銀行の破たんにととどまらず通貨安、支払い不能、支払い不能、通貨安の悪循環が東欧の全ての国で起こっているとWSJ紙は指摘している。
ロシアは2009年のGDP見通しを年初に出した0.2%減を2.2%減へ下方修正した。ロシアの財政は原油・天然ガスに大部分依存している。原油相場はバレル35ドル台まで値下がり、天然ガスも高値の1/3まで下がった。海外からの借金をファイナンス出来ない。ルーブル安は原油安と即連動している。
肝心要の原油相場はどうか。NY原油(WTI)相場は、2月18日、バレル34.70ドルで取引された。米原油在庫データ次第であるが、世界的な需要先行き不安から32ドル台までの安値予測も消えていない。年後半にはバレル60ドル台までの回復を予測した調査機関は頭を抱えているだろう。
NY外国為替市場では、ドルが買われ、1ユーロ=1.2517ドルで取引された。ドルは対円でも買われ1ドル=93.78円まであった。対ドルでの円の値下がりは東欧経済の急激な悪化に揺さぶられているユーロ安の恩恵を受けている要素が強い。ドルが強いのではない。1月の米国の新規住宅着工件数は16.8%減少した。オバマ政権は住宅テコ入れ策を発表したがNYダウは無視した。
一方、NY金先物相場はオンス980ドルまで値上がりした。金はドルの反面教師である。金に対する需要が2008年1000億ドルを超えたとの情報が相場を支えた。ただ、金の宝飾品需要は大幅に減少している。金地金やコインへの投機的な買いが背景にあると今朝のWSJ紙は解説している。
物情騒然としてきた感が深いが健康第一である。健康でさえあれば明るい希望が湧い
てくる。(了)
メドベージェフ大統領と麻生首相が天然ガスサハリン2の開所式でにこやかに握手している映像が今朝の日本のテレビに写っていた。日本の首相がロシアへ行けば領土問題と相場は決まっている。今回は違っていた。
今朝のNHK・BS「おはよう世界」でロシア国営テレビRTRを見ていると領土問題という言葉は一言もなかった。サハリン2で生産される天然ガスの60%が日本向けだとNHKのアナウンサーが紹介していた。プーチン首相が5月に来日予定だから餌(領土問題)はその時使うのだろう。
ルーブルも大変だが、東ヨーロッパの通貨が対ユーロで軒並み暴落している。ハンガリー・フロントが史上最安値を更新した。ポーランドのズロチは、昨年8月から33%下げ、最安値圏で取引されたと2月18日付けのWSJ紙は報じている。
中央アジアのカザフスタン中央銀行に取り付け騒ぎのうわさが広がっている。ウクライナの今年1月の鉱工業生産は、昨年12月の16%減を上回る比率の昨年比34%減少した。天然ガスをロシアに止められたことがそのまま影響したとWSJ紙は解説している。
デンマークのDanske Bank グループのチーフアナリストのラース・クリステンセン氏は「今回の東ヨーロッパ通貨の暴落は、1997年のアジア通貨危機と酷似している。大きく依存していた外国からの資金が一斉に引き上げたことが引き金で起こったタイバーツの暴落とそのまま重なる。」と指摘している。
インタナショナル・ファイナンス機関の調べによれば、西欧から東ヨーロッパへ流れる資金が、2008年の2,540億ドルから今年300億ドルへ急減少すると予測している。2008年9月時点の東欧へのバランスはオーストリー2,770憶ドル、ドイツ2,199億ドル、イタリ―2,196億ドル,フランス1,551億ドル、ベルギー1,367億ドルなどと続いているが彼らが一斉に資金を引き上げ始めた。
東欧諸国の通貨価値の暴落で借金返済額が急拡大した。カザフスタン中央銀行の破たんにととどまらず通貨安、支払い不能、支払い不能、通貨安の悪循環が東欧の全ての国で起こっているとWSJ紙は指摘している。
ロシアは2009年のGDP見通しを年初に出した0.2%減を2.2%減へ下方修正した。ロシアの財政は原油・天然ガスに大部分依存している。原油相場はバレル35ドル台まで値下がり、天然ガスも高値の1/3まで下がった。海外からの借金をファイナンス出来ない。ルーブル安は原油安と即連動している。
肝心要の原油相場はどうか。NY原油(WTI)相場は、2月18日、バレル34.70ドルで取引された。米原油在庫データ次第であるが、世界的な需要先行き不安から32ドル台までの安値予測も消えていない。年後半にはバレル60ドル台までの回復を予測した調査機関は頭を抱えているだろう。
NY外国為替市場では、ドルが買われ、1ユーロ=1.2517ドルで取引された。ドルは対円でも買われ1ドル=93.78円まであった。対ドルでの円の値下がりは東欧経済の急激な悪化に揺さぶられているユーロ安の恩恵を受けている要素が強い。ドルが強いのではない。1月の米国の新規住宅着工件数は16.8%減少した。オバマ政権は住宅テコ入れ策を発表したがNYダウは無視した。
一方、NY金先物相場はオンス980ドルまで値上がりした。金はドルの反面教師である。金に対する需要が2008年1000億ドルを超えたとの情報が相場を支えた。ただ、金の宝飾品需要は大幅に減少している。金地金やコインへの投機的な買いが背景にあると今朝のWSJ紙は解説している。
物情騒然としてきた感が深いが健康第一である。健康でさえあれば明るい希望が湧い
てくる。(了)