日高義樹さん大いに語る
江嵜企画代表・Ken
江嵜企画代表・Ken
日高義樹さんの特別講演会が1月20日(土)午後2時半から4時15分まで、近鉄奈良線
上本町駅から徒歩10分ほどの場所にある大阪国際交流センターホールで開かれ、家族
同道で楽しみにして出かけた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
日高さんは冒頭「ペンス副大統領のお嬢さんと日高さんの娘さんが友達で昨年暮れ一
緒に食事した。その時の話なども入れ①北朝鮮問題、②トランプ大統領は今後どうな
るか。③好調な米国経済と株高、④世界情勢についてお話ししてみたい」と話を始め
た。
日高さんはワシントンDCにある米国のシンクタンクで働く現役のジャーナリストであ
る。ワシントン生活は41年になる。「日本の新聞、ラジオ、テレビを見ていると日本
人というか日本という国が本当に変わらない。ワシントンでの話が日本では殆んどと
いっていいくらい伝えられていないことを感じる」と日高さんは話を続けた。
「ワシントンと日本との受け止め方の違いの一つにトランプさんがエルサレムをイス
ラエルの首都と位置付けた。これによってパレスチナのヒズボラの勢力拡大を止め、
中東戦争に発展するところをアメリカは防いだが日本では伝えられていない」と話し
た。
「北朝鮮問題では、北朝鮮は農業国でない。工業国である。十分な食べ物も取らずに
ひたすらミサイル開発を進めた。ミサイルに核弾頭を付けて飛ばせるがアメリカまで
は現時点で届かない。日本と韓国には届く。問題なのは北朝鮮がVHSやサリンなど毒
ガス製造では世界をリードしている。23年前の東京地下鉄サリン事件では20グラムが
使われた。現在北朝鮮は300キログラムのサリンを生産している。ミサイルの弾頭に
サリンを付けて撃ち込めば100万人の犠牲者が出る」と話したとき気のせいか会場の
雰囲気が静かになった。
北朝鮮に関連した話として日高さんは「北朝鮮の潜水艦が日本近海や太平洋をうよう
よしていた。50隻ほどいたが全部アメリカが沈めたので収まったのです。」と話し
た。こういう話は初耳だったがワシントンのシンクタンクでは当たり前の話なのかも
知れない。シンクタンクに関連した話では「ホワイトハウスは4年ないし8年の期間
限定で仕事をしている。シンクタンクはアメリカを長期に考え分析している。ホワイ
トハウスや議会は国民の税金で動いている。シンクタンクは企業のお金で動いてい
る。」と日高さんは解説した。
「アメリカでは毒ガスに限らずサイバー攻撃を脅威としてとらえている。航空機、鉄
道、駅、空港施設のコンピューター施設がサイバー攻撃を受ければ大惨事となる」と
話を続けた。マティス米国防長官は19日、アメリカの今後の国防の方向を示す「国家
防衛戦略」(RearisticStrategy)を発表した。これは昨年暮れ、トランプ大統領が公
表した「国家安全保障戦略」に基いたものだ。ホワイトハウスは中身を公表していな
いがホワイトハウスでは議論が紛糾大筋の発表まで夜の11時までかかった。
19日の発表では「アメリカに脅威となるのは中国だ」と明示した。アメリかはアメリ
カに脅威となる国は叩く。トランプ大統領になってからアメリカは無駄なことはやら
ないと決めた。ミサイル時代には在韓米軍も在日米軍も意味がなくなったとアメリカ
は判断している。」と「アメリカは日本を守ってくれるものと思い違いをしている」
と日高さんはバッサリ切り捨てた。自分の国は自分で守らなければならない。当たり
前のことが日本では当たり前でないおかしな国だなーと世界は見ていることを日本人
はわかっていない。」と話した。
一方、経済に関連して日高さんは「米国の株価はトランプ就任後30%値上がりした。
減税効果でアメリカの景気は良くなり現在のアメリカのGDPと同規模の経済効果を
もたらす。現在の株価はバブルでない。」と話した。日高さんは「トランプさんは二
期目も大丈夫だろう」と大胆予測した。「オバマさんは民主党のシンクタンクで今仕
事をしている。アメリカの多くのマスコミはシンクタンクに買収されている。彼らは
トランプ政権を批判している。」と紹介した。日高さんの1時間半の話を紙1枚に書き
きれない。「何も手を打たない日本の姿が遠く、だんだん小さくなっていくことが心
配だ。アメリカのある大手投資ファンドが日本株投資を止めた。」という言葉が強く
印象に残った講演会だった。
「自分のことは自分で守る。自分の国は自分で守ることですねえ」と日高さんは最後
にひとこと繰り返して講演を終えた。(了)