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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

サイボーグの時代

2005-11-22 12:15:44 | 科学/考察
 見損ねてしまったのだが、先日のNHKスペシャルで、「サイボーグ技術」というのをやっていた。機械が脳とつながり、義手も思ったとおりに動かせるのだという。さらに、脳からの情報を増幅させて動くサイボーグ兵士の開発も研究されているらしい。

 脳と電極で結んだ、あるいは脳からの指令によりリモコンで動くロボットが、例えばサッカーをするようなことがそのうち出来るのかもしれないとは思っていたが、同じようなことを考える人はいるようで、いずれ実現しそうで何だか楽しみである。サイボーグ兵士はまっぴらだが、脳波で動く射撃の名手や短距離走者なんか出来たら、オリンピックは様変わりするかもしれない。人間に交じって、サイボーグ選手が競い合うというような…。
 手足が不自由でも、自分がプレーするのと同じようにできるのだとすれば、運動なんてしたこともなかったような人が、ものすごいプレーをするかもしれない。とすると、運動神経がいい、というのは何も体が健康な人だけに言えることではなくなってしまう。ひょっとすると、脳みそだけがあれば、体は要らなくなるのかも。まるでSFみたいだが。そして、同じ型のサイボーグであれば、肉体的なハンディがなくなってしまうから、子供と大人、男と女が対等に勝負できる。体の小さな女の子が、スポーツ競技で世界一になるってことも。

 これらは脳から外部に働きかけるアウトプットだが、逆にインプット、つまり脳の特定部位に刺激を与えれば、特定の感覚が得られるという。映像を直接脳に送ることで“視力”を回復できた事例があるという。そういえば、脳のある部分を刺激することで味を感じたり怒りっぽくなったりする、という実験結果もあるというのを、どこかで聞いたことがある。
 脳にいろんな刺激を与えれば、喜怒哀楽はもちろん、海外旅行や宇宙旅行、あるいはありもしない世界を見たり聞いたりすることが“体験”できるのかもしれない。まるで『マトリックス』みたいだが。
 倫理的にどうか、という問題はあろうが、理論的には可能だと思う。

 さらに考える。僕ら人間は自分の意思で動いていると思っているが、ひょっとしたら、別の次元にいる何者かの意思を受けて動いているのかもしれない。僕らはこの世界での〈サイボーグ〉なのかも。これもSFみたいだか。

【お詫び】
 10月23日の記事の中で、「アスベストを発見したのは平賀源内」と書きましたが、平賀源内はアスベストを用いて燃えない布を作っただけでした。発見はイタリアで、4千年以上前のことです。お詫びして訂正します。

コメント
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