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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

疲れた人へ―ひとり旅のすすめ

2007-03-04 09:19:59 | こころ
 
 去年ものすごく忙しくて、年末年始は休めたものの大掃除やら何やら手一杯で、完全に煮詰まってしまっていたので、2月の連休を利用して、旅に出た。これまでにもう20回ほど旅をしているが、今回は、大井川鉄道を利用して井川まで。

 金谷(かなや)の駅から、昭和30年代の古びた電車でトコトコと大井川沿いを上る。やがて千頭(せんず)という駅に着き、そこからはさらに小さな赤いミニ列車で井川まで。途中、急な坂道を登るため、アプト式の機関車が連結されるところを見られるのもいい。
 井川ダムからの景色を眺めたあと、大仏さんを拝んで引き返し、接岨峡(せっそきょう)温泉に泊まり、予約しておいたSLに乗って帰ってきた。新緑の季節でも紅葉のシーズンでもないから、連休にしては列車も民宿も空いていて、心静かな旅だった(行って良かった!)。

1.旅は一人で
 ここまで書けばわかると思うが、一人である。気の合った仲間や家族、あるいは恋人同士で旅行するのも楽しいが、どうしても気を遣ってしまう。それに歩くペースや見て回りたい所が違うため、変にストレスがたまる。疲れを癒すために旅に出るのに、これでは逆効果。

2.ケータイは不要
 ケータイは家に置いて来ること。何だか物足りないかもしれないが、日常を離れるためには、不要不要(僕は元々持っていない)。パソコンやiPodなんぞ、もっての外。旅の間は、テレビはもちろん新聞や雑誌も見ない方がいいかも(せいぜい本くらい)。ニュースはある程度必要なものだが、マスコミにさらされると人間弱くなるものだし、しーずかな時間を持つのは必要なこと。

3.そして考える
 それで何を考えるか。やはり仕事のことかもしれないし、心配なこと、あるいは将来や過去のことかもしれない。それはそれで、思考の流れるまま、流しておけばいい。そのうち、人が生きるということ、世界のこと、この宇宙のことなんか考えられるようになれば、シメたもの。いかに普段、チマチマした生活をしているかがわかるようになる。(これはもう、クセになる)

 知らない所を一人で歩くわけだから、道に迷ったり危ない目に遭ったりもする。今回も、大仏さんのとこへ行くのにずいぶん迷ったし、猟でもしてたか、すぐそばで銃の発砲音が聞こえてヒヤッとしたことがあった。しかしこれはこれで、楽しいもの。普段できない経験だから。

 疲れてる皆さん、ちょっとひとり旅に出てみませんか。体は疲れるけれど、本来の自分に戻れて、心はきっと元気になれるはず。
 なお行き先は、山の中の温泉でも、海の見えるひなびた港町でもいい。「懐かしい風景」は、まだまだ残っていますので。

 ただこの旅、有志を募ってご一緒に、と行かないところが、難点と言えば難点。

〔写真は井川湖。雪が少ないせいか、水位も低いようでした。〕
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