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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

藤原紀香と寺島しのぶ、そして池田晶子さん

2007-03-18 08:52:21 | 時事
 気になっていた女優2人がたまたま、2月にそれぞれ結婚をした。いずれも30代半ばの藤原紀香寺島しのぶ、である。
 知ってる人は知ってると思うが、同じ年代ながら演技力にものすごく差がある。藤原紀香は何回かドラマの主役をやったようだが、演技力に難があり、『だめんず・うぉ~か~』なんか、早めの打ち切りとなったらしい。一方寺島しのぶは、映画『東京タワー』(オカンとボクと、ではない)での鬼気迫る主婦役など、あの年代では抜群にウマい。
 かたやモデル出身のかわいい女の子、かたや芸能一家のいわばサラブレッドなので、比較するのは酷なのかもしれない。しかし、藤原紀香もネームバリューはあるのだし、もっと演技の勉強をすれば、いい役者になれると思うのだ。
 まさか〈わざと〉やっているわけではなかろうが、あの、わざとらしい演技というのがなくなればなあ、といつも思う。それとも、かわい子ちゃんならいいのだろうか。それも若いうちはいいが、年取ったら、どっからも声が掛からなくなってしまう。
 ケナすような言い方になってしまったが、所帯も持ったことだし、頑張ってほしい。

 と、ここまではどうでもいい話で。こっからが本題。
 哲学者の池田晶子さんが亡くなったそうだ。まだ46だという。『14歳からの哲学』の作者、と言えばわかるだろうか。中学の副読本にもなっているらしいから、知ってる人も多いと思う。本屋で立ち読みして、こりゃいいってんで子供に買ってきたものの、僕自身まだ全部は読んでいないのだが、女性にしては、というか女性だからか、あの壮大なものの見方というのには、これまた同じ年代ながら、関心しつつも「負けちゃおれん」という気持ちになったものである。
 ついでに言うと、学生の頃から、自分は同じ年代の中でどの程度の位置にいるのだろう、ということを考えていた。全国一斉の模試の順位みたいに〈人間としての総合力〉なんてものがあるとしたら、自分はどのくらいのところにいるのだろう、と。ただこれにはテストというものが存在しないため、決して順位がわかるわけではないが、上位にはいたいものだ、といつも思っていた。それは知識であり知恵であり、応用力あるいは包容力、さらには、道理のわかる心や風流をめでる心、ということなのかもしれない。

 追悼ということで、「受験の役には立ちませんが、人生の役には必ず立ちます」てな売り文句で『14歳の君へ』という本の広告が先日も新聞に載っていた。それぞれ「14歳」と銘打ってはいるが、ハタチの人が読んでも、おじさん・おばさんが読んでも、充分〈人生の〉役に立つだろうと思う。
 あの埴谷雄高と親交があったそうで、深い洞察力もむべなるかな。もっともっと、意見を聞きたかった。本当に惜しい人を亡くした。

 もう一人。「ひょっこりひょうたん島」のマシンガン・ダンディの声優・小林恭治さんも亡くなったそうだ(享年75)。僕らの子供の頃のヒーローの一人だ。ご冥福を祈ります。
コメント (1)
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