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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

くすりの話

2007-06-17 08:56:14 | エッセイ
 
 たまには専門の話を。

 もう気付いた人もいるかもしれないが、薬のパッケージの「製造元」というのが、最近は「製造販売元」に変わってきている。皆さんには直接関係はないので詳細はやめておくけれど、薬の製造販売制度が大きく変わったからで、その対応のため去年はものすごく忙しかった。(知り合いに薬品関係の仕事の人がいたら、聞いてみるといい)

 薬の世界というのは規制が多く、製薬だけに「制約」だらけ、というのはよく言う駄じゃれ。もちろん金融業界にしろ建築業界にしろ、規制はいろいろとあるのだろうと思う。
 他の業界に比べて給料が多少いいということも聞くが、よくわからない。ただ仕事は細かく、神経を使う。こんなもん本当に必要なのか、っていう業務も、結構ある。

 薬の話をすると、有効性と安全性の兼ね合い、というのが重要なところ。いくら副作用が強い場合でも、使わないと命にかかわるのであれば、服用した方がいいということになる。逆に、いくら効き目が良くても副作用がそれ以上に強いようであれば、ダメってことに。バランスの問題なのだ。
 そう言えば、元々副作用だった作用をメインの効き目にするってこともよくある。確かバイアグラはそのクチだった。
 それで思い出したが、怪しげなクスリというのも世の中たくさんあって、「やせチャイナ」なんていう痩せ薬や、「旦那さますごい!!」なんていう精力剤もあるそうだ(凄いネーミングだ)。ただ、体壊すだけだし違法薬品なので、皆さんはこういうのには手を出されませぬよう。

 抗生物質のペニシリンや鎮痛剤のモルヒネ、数々の漢方薬、その他たっくさんの薬は、自然から見つけられたものだ。自然は偉大だ、うまくできてるな、と思うと同時に、自然から得られる薬も、かなり出尽くしてきた感はある。これからは、ジャングルや洞窟の奥深くで、あるいは深海の底で見つかった物質から新しい薬が開発されるのでは、と言われている。
 リウマチやらアルツハイマーやら筋無力症やら、まだまだ治療法のない病気も多いことだが、あるいはそんな所から、いい治療薬が出てくるかもしれない。

 ついでながら、他の惑星の病気は、その惑星のどこかに治療薬があるに違いない。またひょっとしたら、リウマチなど難病の治療薬も、どこかの星にはあるのかも。

 こんなところで。(いつも以上にマジメになってしまいました)

 〔イラストは、慶應義塾大学病院薬剤部のHPより〕

コメント
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