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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

それぞれの〈ロス:タイム:ライフ〉

2008-04-20 12:17:54 | エッセイ
 
 昨夜で終わってしまったが、フジテレビの『ロス:タイム:ライフ』はいい番組だった。
 刑事や漫画家、ひきこもりなど、突然死ぬことになってしまった人たちが、人生最期の残り時間(ロスタイム)に、それぞれやり残したことをやり遂げるというもの。タイトルからわかるように、サッカーの試合になぞらえたもので、主人公の名前も、森保や黒崎といった、懐かしいちょっと昔の代表選手から持ってきていた。

 中でも良かったのは、上野樹里扮する「看護師編」。確か主人公の名前は「松永」だったと思う。飛び降り自殺をしたはずなんだけど、シリーズの中でも珍しく、死ぬことなく生き延びることになった。あと、友近扮する主婦・井原の「スキヤキ編」もなかなか良かった。
 それと印象的だったのは、真木よう子扮する広報部長が過労による心臓発作で死んでしまう「部長編」。僕も、心臓に悪いんじゃないかってほど神経使うことがあるし、身につまされるものがあった。

 その広報部長は、屋外のベンチで温水洋一扮する謎の人物・尾元にもたれかかりながら死んでしまうのだが、尾元はいったい何者だったのか、というのはゆうべの最終回(舞台劇みたいだった)のとおり。
 しかし、変なおっさんというイメージだった温水(彼も宮崎出身らしい)、今回のドラマで親しみを覚えるようになった。ただ、僕よりも若いというのはちょっとビックリ。

 ところで、僕らの場合はどうか。
 僕の人生、もう半分も残っていないだろう(おそらく後半の途中)。ひょっとしたら、もうロスタイムに突入しているのかもしれない。
 当たり前だけど、誰だって、人生の残り時間がどれくらいかってことはわからない。これ読んでる人の中にはまだまだ前半の人もいるだろうし、後半残り何分という人もいるだろう。
 気の毒ながら、重い病気で「余命○ヶ月」と宣告された人以外は、はっきりしないのが現実(とは言え、それより長く生きる人もたくさんいるようだ。ついでながら、もろもろの準備ができる分、宣告された方がいい、という考え方もある)。

 確率から出された平均余命というものはあるけれど、あした、いやこのあとすぐ何が起きるかってことは、誰にもわからない。タイヤが飛んで来るかもしれないし、通り魔に襲われるかもしれない。いつ死んでもいいように、覚悟・準備はしておいた方がいいのかもしれない。
 ただ、いざ何やるかってのは、いささか心もとないのだが。

 あそれから、ORANGE RANGEの主題歌も良かった。「あーまだ、終わりじゃなぁーい」というフレーズには、いつもホロッと。
 

コメント
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