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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

100年後は誰もいない

2008-11-16 08:51:22 | エッセイ
 
 NHK『篤姫』が好調のようだ。大河ドラマはもう20年ほど見続けているが、やはりその中でも上等の部類に入ると思う。女性が主人公ながらつい見入ってしまうのは、男性ファンならわかる心理だろう。

 その中で、徳川家茂に続いて孝明天皇、坂本龍馬が相次いで亡くなった。実際の死亡年も、順に1866年、1867年、同じく1867年だから、あの時代の主要な人物がほぼ同時期に亡くなったことになる。
 それから140年ほど経っているのだが、僕の生まれた昭和34年(1959年)から見ると、まだ100年も経っていない計算になる。歴史上の話だから、もっともっと前のことのように感じるのだが。
 逆に将来に目を向けると、この一文を読んでいる人間のうち、僕を含めておそらく誰も100年後は生きてはいないだろう。好きなタレントだって、嫌いな評論家だって、100年後はみんな死んでいるに違いない。これは皮肉でも何でもなく、必然のこと。

 よく言われることだが、今生きている僕らってのは、長い長い地球の歴史、あるいは宇宙の歴史から見れば、ほんの一瞬の間に「一緒に乗り合わせた」ということになる。つまりは〈縁〉っていう言い方もできるし、誰かの、または何かの〈引き合わせ〉ということなのかもしれない。
 これまたよく言われる、「あなたの今の状況は、あなたにぴったりのものなのです」という言葉も、あながちウソではないかもしれない、と、長いこと生きてると感じたりもする。
 いがみ合っても一生、仲良くし合っても一生。100年後は皆あの世に行っているんだから、どうせ生きるんなら機嫌よくね、とも。

 『篤姫』に話を戻すと、ほとんどなじみのなかった宮あおいはであるが、こんなにウマい女優だとは思わなかった。爽やかでかわいらしいし。
 宮あおい(=葵)、まさに徳川家の女を演じるために〈選ばれた人間〉だったのかも。
 そうそう、主役以上にこのドラマを盛り上げているのは、武家方の高畑淳子と公家方の中村メイコ。イヤ味な姑役の、憎らしいほどうまいこと。
 ところで、大河ドラマは2002年から『利家とまつ』『武蔵』『新選組!』『義経』『功名が辻』『風林火山』『篤姫』と、何となく女っぽいものと男っぽいものとが交互に放送されているように思う。来年は直江兼続という人物が主人公の『天地人』だそうだが、やはり硬派なものになるのだろうか。
 

コメント
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