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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

あれから2年

2013-03-10 08:21:48 | 時事
 
 あの大地震から明日で2年。早いようでもあり、まだ2年か、という感じでもあり。
 テレビ画面の中、冬の田んぼの上を黒っぽい布のようなものが移動していくさまは、おそらく一生忘れることはないだろう。

 当時、録画予約していた番組はすべて震災報道に切り替わっていた。首都圏の大混雑の様子が多かったのだが、人口少ないとはいえその頃東北のかの地ではもっと大変だったのに、と今でも思う。
 もちろん目的の番組が見られなかったので、ほとんどの録画は消してしまったものの、一部は重要な記録として残してある。それらを見返しつつ、また特番も見ながら、思いを新たにしているところ。

 体育館に寝泊りしている人はさすがにもういないとは思うが、仮設住宅に住み続けている人たち、故郷へ戻るに戻れない人たち、放射能におびえる人たち、そして大切な人を失った人たちがいるのもまた事実。特番を正視できない人もたくさんいるだろう。
 ツラくてツラくて大変でしょうが、生きて行ってほしい。頑張らなくていいから。遠くから気に掛けている人もまた、少なからず居るはず。

 話ずれるけれど、朝日新聞に筒井康隆氏の『聖痕』という連載小説がある。主人公・葉月貴夫が40年ほど前に巻き込まれた事件に始まり、現在に向かって話が進んでおり、ちょうど今、東日本大震災直後の場面である。地震発生時に貴夫が眩暈と勘違いしたとか、津波に巻き込まれた人たちの苦しみを感じたとか、同じこと考えている人もいるもんだ、と思った次第。
 この作品、今日現代まで来たところで終わるのだと思っていたら、この13日で終了だそうだ。幼い頃の被害が“昇華”されたような、災禍を補って余りあるほどの大団円になりそうで、ホッとしている。

 震災に限らず、理不尽な亡くなり方をしてしまう人たちが今年だけでもあちこちに。アルジェリアにグアムにエジプトに吉祥寺に北海道に…ご冥福を祈ります。

〔冒頭の画像は『NHKスペシャル』のHPより勝手ながら拝借〕

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