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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

“冴え”の瞬間

2017-06-04 09:20:32 | 科学/考察
 
 皆さんはどうか知らないが、急に目の前の景色が生々しい現実感/立体感を持ってクッキリハッキリと見えてくることがある。2Dが3Dになったような、ハイビジョンが4K画像になったような。あるいは「スーパーサイヤ人」にでもなったような気分。
 それは電車を待っている時だったり、自転車を走らせている時だったり、のんびり庭を眺めている時だったり。(あ、ビールの缶をプシュッと開ける時にも、ある)
 ただこれは長続きしなくて、長くても10分くらい。しかも起きるのがひと月に1回あるかどうかってところだから、起きている時間の99.9%以上は「ぼんやり」していることになる。
 言わば〈ランナーズ・ハイ〉みたいなものなのかもしれないが、苦しい長距離走を乗り切るための「覚醒」と異なり、僕が経験するのには意味があるのかどうか…。ひょっとするとボケる前兆なのかもと思ったりしている。
 そう言えば高校の頃、頭が冴えないのを気にしていた。視力が落ちたせいだと思って、メガネを買い替えたりもしていた。そしてこの年になるまで、ぼんやりしたまま。左目の視力がやや弱いので、そのせいかも。
学生の頃、運転免許を取る際、頭をハッキリさせようとしたら却って良くなかったことがある。運転する時は全体をボワッとしていた方がいいようだ。
 生物学者の福岡伸一さんも、ハッキリ見えていた子供の頃を懐かしがっている。おおかたの人は、もちろん視力云々ではなくて、年をとるとハッキリ見えなくなるものなのかもしれない。それは、無駄に馬鹿力を使わないための、脳味噌の〈省エネ〉なのかも。
 サッカーの中田ヒデも子供の頃は、見なくても後ろの敵選手の気配が分かったという。大人になるにつれ、そういう感覚というのは鈍くなっていくものだろう。
 ハッキリ見える時間を出来るだけ長くしたいものだが、そうした場合、脳味噌が疲弊してしまって、逆にボケてしまうことになるのかもしれない。
 脳内物質のちょっとしたイタズラだと思う。意識すれば長続きできるものなのか。例えば脳科学では、既に研究済みなのかも。
 〔写真は、先日それが起きた時の目の前の景色。…何にも分かりませんね〕
コメント
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