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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

居酒屋の憂鬱

2017-09-03 07:37:00 | エッセイ
 
 たまには地元でも飲もうかと、出張帰りに駅前の居酒屋Aに入った時の話。

 一見(イチゲン)さんながら一番乗りだったので、そこの女将さんとぽつぽつ話をしながら飲んでいた。気さくな女将さんなのでこちらも気兼ねなく話をしていた。
 と、ガラッと扉が開いて常連客らしき男が入ってくるや、いきなり女将さんとゴルフの話なぞをおっ始めた。こちらの話は中断されたまま、聞きたくもないゴルフ談議が延々続く。
 前回(ひょっとしたら前日かも)の話の流れだったのかもしれないし、男にとってはそこだけがオアシスなのかもしれないが、先に居た客(僕)に対してはひと言もなし。無礼と言えば無礼。給仕の女性が時おり話し掛けてくれるのが救いだったが。
 一番乗りだったから女将さんと少しは話できたけれども、そうでなかったら店入ってから出るまで注文することしかできなかったかもしれない。(どうしてくれる!)

 まあここだけかと思ったら、別の居酒屋Bでも同じようなことが(もちろん別の男)。飲み屋なので常連客はいるもので(常連いない店はなくなっていく)当たり前のことなのかも。田舎者ってこんなもんか。(しょうがねえなあ)
 おそらく生まれてこのかた県外に住んだこともなく、いつも同じ店で飲んで、昼間も同じメンバーとツルんでいるのだろう。安心この上ないが、少なくとも男としてはつまらない人生だろうと、勝手ながら思っているところ。
 地元の飲み屋でばかり飲んでる奴らに“異邦人”の気持ちは、わっかんねえだろうなあ。

 いや、あるいは僕も、生まれた宮崎にずっと住んでいたなら、あるいは静岡で生まれてずっと変わらずにいたなら、あんな気の利かないオッサンになっていたのかもしれない。クワバラクワバラ。

 さて、どちらのお店も早々に切り上げた次第。もう二度と行くか、とも思わないでもないが、居酒屋Aはなかなか雰囲気もいいんで、もうちょっと我慢してみようかと。(ただ、慣れてきたらあんなオッサンになってしまうのかも)
 …ちょっと愚痴っぽくなってしまいました。


コメント
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