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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

初日の出のあとで

2019-01-13 09:12:44 | こころ
 
 去年何が悲しかったといって、岡山だったか14年前の事件の報道ほど悲しかったことはない。
 容疑者が逮捕されたのであるが、命を奪われたその被害者というのがいたいけな小学生の女の子で、何ともやり切れない気持ちになったもの。縁もゆかりもなく、また知らなかったとはいえ、その子の死を悼むこともできず14年間のうのうと生きてしまったことに、ひどく落ち込んだもの。

 さて、毎年初日の出を拝みに行っている。
 今年の元日も晴天に恵まれ、近くの小山に上って無事拝むことができた。(途中のお寺で甘酒など振る舞ってくれるのもいい)

 その帰り、混雑する下り坂で、脇道から小学生らしき兄妹が僕の前に入ってきた。男の子は5年生くらい、女の子は2年生くらいか。かわいらしく「失礼します」と入ってきた女の子が、かの亡くなった岡山の女の子とダブって見えて、後ろから「頑張って生きてね」と思った次第。
 かの女の子もこんな感じだったろう。そして目の前にいる女の子が代わりに生きてくれているのでは、とも。ご遺族にとっては何の慰めにもならないんだけれど。

 まったく関係のない2人の女の子ではあるが、昨年来のモヤモヤが大きく晴れた気がした今年の元旦でした。

 …少々重い話になってしまいました。m(   )m

コメント
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