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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

比較の問題⑧(数値の扱い)

2019-06-02 08:11:04 | 時事
 
 先月だったか、政府の目標として「70代認知症の人の割合を6年で6%減らす」という報道があった。
 これって、たとえば10%のところをマイナス6の「4%に」ということではなくて、10%のうちの6%減で「9.4%に」ということらしい。
 新聞とかではよく「○ポイント減」という言い方/書き方をして区別しているようだけど、同じ「%」で表現していると、上記の前者みたいにそれ同士足したり引いたりする勘違いをしてしまうと思うので、注意が必要かと。
 いずれにしても、ふた通り以上の解釈ができる場合は、別の表現で以って念押しはしといた方がいいはず。
 いやひょっとしたら、前者のように目標高く見せるのが目的なのかも。(ウガち過ぎですか…)

 3月にはこういうニュースもあった。
 中高年(40~64歳)の引きこもり者の数が推定61万人で、以前調べた15~39歳の推定54万人よりも多かったとのこと。
 でもそれって、40~64歳の全体数、39歳以下の全体数がわからないと、比較できないんじゃないか。例えば「1000万人中の61万人」と「100万人中の61万人」とでは、おそらく意味が違ってくるだろうから。
 もちろん、苦労しているご家族、周りの人、そして引きこもっている本人にしてみれば、割合なんてどうでもいいことではあるのだが。

 ところで川崎の事件(こうして町の名前を連呼されるのは、当の市民/出身者にしてみれば不本意なことだろう)は悲惨だった。気の毒で、ニュースもあまり見ていられない。
 自死してしまった加害者も、引きこもりだったよう。もちろん、引きこもっている人皆がみな何かをしでかすわけではないし、僕だっていつ引きこもってしまうことになるかもしれないのだが、世の中との健全なつながりは持っていないといけないんだろう、人間は。

 〔写真の記事は、勝手ながら朝日新聞より〕

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