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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

泣ける『ちりとてちん』

2008-03-09 09:51:40 | エッセイ
 
 去年の10月、カゼひいて休んだ時に見たのがきっかけで、NHKの連続テレビ小説『ちりとてちん』にハマってしまった。

 福井県若狭地方の塗り箸と上方の落語とをうまくからめて、笑いの中にもしみじみとしたものがあるお話である。特に、よく出てくる「人間も、お箸とおんなじや。研いで出てくるもんは、塗り重ねたもんだけや。一生懸命に生きてさえおったら・・・」のくだりでは、毎回ホロッとさせられている。
 草若師匠の死の前後は回想ばかりで中だるみとなり、その孫弟子でウソつきの木曽山くんが入門してからはちょっとイヤな感じになっていたのだが、ようやく心が通い合い、やれやれってところである。
 今月で終わりなのが惜しいくらいだ。あとは、主人公・喜代美がもう一人の清海(A子)とどう仲直りしていくか、弟・正平や小草若が自分の道を見つけられるか、といったところだろう。大団円だというのはわかっているが、楽しみだ。
 そしておそらく最後は、このドラマ全体が、原沙知絵扮するフリーライターによるドキュメンタリー記事だった、ということではないかと思っている。
 (見てない人には全然わからないと思うが、そこはご容赦を)

 しかしほとんど知らなかった出演者だが、「そこぬけに~」とか、すっかりなじみになってしまった。まじめそうな和久井映見や松重豊が、あんな面白い一面を持っていたことも意外。映画『スウィングガールズ』ではおてんばそうな脇役だった貫地谷しほりも、ずいぶんとうまくなった。なかなかかわいらしいし。
 2月には、大阪で〈ファン感謝祭〉というのもあったそうだ。行きたかったなあ。

 まあ小理屈はともかく、カミさんと一緒に、毎回楽しく、時にしんみりと見ているところ。時々子供から「あー二人とも泣いてる」なんて言われてしまうのだが、人情というのか人生の機微とでもいったものがわかるのには、やはり年月が必要なのだな、と思っている次第。

 きょうもお付き合い下さり、ありがとうございました。


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