時間ができたら好きな本でも読もうと思っていた。そこで埴谷豊の『死霊』に挑戦したが、長いし何とも読みづらくて断念。代わりに、と言うか読み慣れている三田誠広の本を改めて読むことにした。
ちょっと挙げてみると『すずめ台駅前情報局』『都の西北』『龍をみたか』『僕のうちあけ話』『空は終日曇らず』『死のアポリア』『考えるウォークマン』…。小説にしろエッセイにしろ、実に読みやすくて面白い。
知ってるかもしれないが、高校生の時に『Mの世界』で文藝賞(佳作)となり、のちに『僕って何』で芥川賞をとった、全共闘世代(本人いやがるかも)の作家だ。子供の頃から世界の文学を読んでたらしく、いろいろ知っているしかなり深いこと考えている。
「読みやすい文章の中に少しずつ毒を盛り込んでいる」というようなことを本人言っているらしい。とすると僕はだいぶ毒されているのかもしれないが、それでもいいと思っている。いろいろ考えさせられるし、文学の世界に引き入れてもらったし。人生が豊かになった、と言うか。
…ちと持ち上げすぎましたか。