一昨日のブログで、道徳の基盤は想像力だと書きましたが、
なんの突っ込みもないので(笑)、自分で突っ込みます。
道徳のみならず【想像力】なしには人間の人間的な営みは全て成立しません。
言語においても、事象と意味を一対一で対応させることはできません。もしイメージを喚起する力がなければ、人間は言葉を使うことすら不能となります。広大なイマジネーションの世界に支えられてはじめて言語を用いることもできるわけです。
したがって、わたしは言語を固い概念世界に閉じ込めて使用するのは、本質的に愚かであると思っています。イメージをよく喚起できるような言語使用を心がけないと、硬直して死んだ言葉となり、言語から現実的な力が失われます。
わたしは、想像力は文化全体のもっとも深く大きな問題で、人間社会の未来を拓くためには、想像力についての探求が不可欠だと確信しています。同時に、個々人の現実的で有用な想像力の開発が求められます。その能力なしには、生のエロースは広がらず、社会問題の解決も不可能だからです。
問題を解決し、豊かな生を営み、未来を拓く条件は、自覚的に積極的にイマジネーションを活用することではないでしょうか。
武田康弘