思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

改憲派から護憲派へー欽定憲法も近代憲法も「憲法」だから同じ!?

2008-02-13 | 社会思想

改憲論者であった小林節慶応義塾大教授は、自民党の憲法改正案が出た後では、護憲派になりましたが、それは、近代市民社会の原理(民主主義原理)を踏まえれば、あまりに当然の帰結です。
為政者を主権者である市民の意思で縛るのが「近代憲法」の立憲主義ですが、主権者である天皇が臣民に与えた「欽定憲法」も、名前が「憲法」だから同じ、というのでは、あまりにお粗末です。
その根本的な違いもわきまえずに新憲法をつくろう、というのだから、小林教授に限らず、主権在民の民主主義思想を理解する人ならば、誰であれ呆れ返ることでしょう。自民党の憲法改正案は、主権者である国民の方を管理するような発想で憲法をつくろうとするもので、これでは「近代憲法」にはなりません。
近代市民社会(自由の相互承認に基づくルール社会)の【良識】とは異なる考えを現代に持ち込むことは、明らかに間違いです。
いまもテレビを見ていたら、宮内庁長官が、天皇に皇太子が会いに行く回数が少ない、と苦言を呈していましたが、家族問題まで政府の役人が口を挟み、管理しようとするー論評するのも厭になるほど愚かな話です。
これは、個々人からエロースを奪う人間管理主義の【象徴】のような話ですが、この問題については、以前わたしは、『皇族の人権と市民精神の涵養』という文を書きましたので、よろしければご覧ください。

武田康弘
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