思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

仲間を大切にすることは、よく生きるための条件です。

2011-12-26 | 恋知(哲学)


個人が個人の資格でつくる社会運動や文化運動などでは、仲間を大切にすることが何より大切です。

けれども実際には、仲間を大切なものと思わず、却って排撃するような言動も起こります。
原因は、自我主義・競争主義・序列意識・疎外感・不全感などが混合した心理ですが、一口で言えば「偉がりの心」だと言えます。ピラミッド型組織ではない社会・文化運動にまで浸透する心の病は、ほんとうにやっかいです。

外的な価値意識から解放され「内」からの生を歩む人は「偉がりの心」を持ちませんが(それがほんとうの哲学者)、序列意識が抜けない人・疎外感をもつ人は、知らずに酷い自我主義に陥り、自分のもつ価値意識を絶対化するために、楽しく実り豊かな人間関係を築けないのです。

そのように仲間の存在を尊重できない人は、自分自身をも肯定できませんので、不安定となり、より強い拠り所(権力や権威ある人や団体)を求めて徘徊するはめに陥ります。

仲間、近しい者を愛することなしには普遍的な「よい」に至りません。
もちろん、愛する=肯定するとは無批判的な態度とは全く違います。互いに向上するために、互いを励まし互いの力になることですから、忌憚のない批判をすることも必要です。ただしそれは、建設的な内容を持つ批判であり、民主的倫理に基づくものです。

仲間を大切にするという基本を踏まえない人はいつまでも不幸です。自分を愛し大切にする人は、同人・仲間を愛し大切にしますが、その心と行為がなければ世界がよきものになることもないはずです。


武田康弘
コメント (1)
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