ついにこのような本が出る時代になったのだな~~とえらく感心。
平易で明晰、戦後日本社会の構造を見事に分析し俯瞰した本書は、ほんとうに役立つ生きた社会学であり、一読、驚きとよろこびでいっぱいです。
ピュアで思惑のない叙述、固定観念に縛られず、専門の学者のエゴやしがらみから無縁の爽快な論述。
学生は、この本で学べば、社会学の面白さと威力を知り、社会人=公共人になるよろこびを覚えるでしょう。
また、誰しも、従来の政治対立のつまらなさ、レベルの低さを痛感されることと思います。必読です。
いたずらに思想的な言い方になっていないのも好感であり、著者の精神の健康・健全を強く感じます。
透明でどこまでも見通せるような本書の出現は、これからの社会学の基盤・座標軸になるものと確信します。
『日本はなぜ、「原発」と「基地」を止められないのか』 矢部宏治著 集英社刊 1200円+税
2014年 10月29日 初版
武田康弘