思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

グレン・グールドのバッハ「パルティ-タ」全曲   「独り」であることの大切さ。

2014-11-08 | 学芸

わずか50歳でこの世を去った独創的な天才ピアニスト、グレン・グールド、
かれのバッハは極めて高く評価されてきましたが、今は、驚くほど安く入手できます。

グールドの演奏は、
社交的なこと、華やかに振る舞い・お喋りをし・他者の視線や評価を気にする、
というのとはまったく反対に、
非社交的なこと、独りでいること・黙っていることが、何よりも豊かで深いよろこびになる、
というバッハです。

 ベートーヴェンは、「わたしの音楽の意味を見ぬきえた者は、人生のあらゆる悲惨から免れるだろう」と言いましたが、それとは逆のベクトルで人生を深く支えるピアノ独奏です。

そう、独奏ー独りで奏するという言葉がこれほど嵌まるピアニストはいません。
一人にならなければ「私」の心の宇宙を深く開発することはできない、ということの証左が、彼の弾くパルティ-タの世界です。

現代人は、絶えず誰かとつるんでいないと不安になるという心の病をもちますが、「沈思」がいかに豊かな人生の充実ー深さをもたらすか、それを知らしめるのが彼のバッハです。

落ち着きのない小学生もグールドのパルティ-タを流していると、静かに学習の世界に入ります。

パルティ-タ全曲、
それに、小前奏曲と小フーガ集とフーガの技法(オルガン演奏)の全曲、さらにイタリアン・アルバムの全曲、ビッシリ網羅した4枚組のアルバムが、たったの1494円、リマスターされて音も驚くほどよいです。

 

武田康弘

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