安倍首相は。自著『美しい国へ』で、レーガンとサッチャーを称揚し、「力=軍事力の行使を決して恐れてはならない」とするロバート・ケーガン(ネオコン)の主張を正しいものとして紹介しています。「悪の帝国ソビエト」を倒したのは、レーガンの軍事力拡大戦略であった、と結論づけています(116ページ~118ページ)。
彼のこの基本思想=姿勢は、今回の中東訪問でもハッキリとしています。
まず1年半前(2013年7月)に軍事クーデターにより民主派を倒したエジプトを訪れ、次に、イスラエルの超タカ派・ネタニエフ首相と会談し、さらにはユダヤ教の象徴であるキッパ(男性の帽子のようなもの)を被って親密さをアピール。
従来の日本外交(アラブへの配慮)とは全く異なる一方的なメッセージを世界に発信したのです。自民党が注意深く日本の独自性を守ってきた外交を、「守旧的」と判断する過激派である安倍グループの特異性が分かりよく示されました。
彼らのような短絡的思考と行動=一方に偏した極端な外交は、損と害ばかりで、得も徳もありません。
大多数のイスラム教徒は、暴力国家の「イスラム国」を支持していませんが、その穏健なイスラム教の人々をも「敵」にしてしまう安倍首相の言動は、あまりに愚かです。強国ー強権に憧れる首相の想念が日本を不幸に陥れます。わざわざ「テロの対象国」に名乗り出てどうする、呆れたものです。
追記、続きのglogもご覧ください(東京新聞)
武田康弘