思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

中学校の教科書に学ぶパレスチナ問題ーーー安倍首相の外交の無謀性が深く分かります。

2015-02-01 | 社会思想


数日前、小学6年生にパレスチナ問題を聞かれましたので、中学校の教科書(歴史と公民)で学びました。

上が「公民」 下が「歴史」 一般的に多く使用されている(わたしの学区も)東京書籍の現行教科書です。




いわゆるイギリスの三枚舌外交が、いまのパレスチナ問題の発端であると説明されています(「公民」)

また、仲介役のアメリカが、国内のユダヤ人やキリスト教原理主義の影響からイスラエル寄りの立場をとりがちであるという問題点も指摘されています(「歴史」)

三大宗教の聖地であるエルサレムについても囲み記事で説明されています(「公民」)

 

 三大宗教と呼ばれるのは、ユダヤ教と、ユダヤ教内の宗教改革であるキリスト教と、そのキリスト教と兄弟関係にあるイスラム教ですが、みな【一人の神が世界をつくったとする一神教】です。

 キリスト教とイスラム教は、ユダヤ教という親をもつ兄弟宗教ですが、十字軍の遠征で知られるように骨肉の争いをしてきました。
(※イスラム教の聖典である「コーラン」は、多くが「旧約聖書」(ユダヤ教)から取られています)

 この三大宗教の【一神教】という思想は、人類の歴史でいえば後から生まれたもので、主流ではありません。人類文化の金字塔は古代ギリシアのアテネが生んだフィロソフィ(恋知=哲学)・芸術と直接民主制(自立した市民による共同体)ですが、宗教=神とはギリシア神話でおなじみの「多神教」でした。わたしたち日本人になじみ深いインドの釈迦による仏教は、このギリシア文化と親近性をもっていて、三大宗教とは大きく異なる思想です。

 

 歴史的、思想的事実の大枠を知ると、わたしたち日本人がパレスチナ問題で英米と同じ側に立つのは、深く無謀なことが分かります。

  ※安倍首相の世界に逆行するイスラエル外交についての解説記事(「東京新聞」)もご覧ください。


武田康弘

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベートーヴェン ヴィオリンソナタ全曲 イブラギモヴァ & ディベルギアン ー 過去の名演が色褪せる。

2015-02-01 | 芸術

度も聴きました。
う~ん、過去の名演が色褪せてしまいます。後世恐るべし。
とにかく、圧倒的にしなやかで自由です。
若々しい推進力、緊迫感が快感を呼び、何度でも繰り返し聴いてしまいます。

濃やかで豊かな表情性をもつイブラギモヴァ(ロシア)のヴァイオリンを強く理知的に支えるティベルギアン(フランス)のピアノ。絶妙のコンビ!全体は音楽への愛で満ちています。
録音当時、イブラギモヴァは25歳、ティベルギアンは35歳、頭で無理に考えたのではなく、全身で直観的に楽曲の意味を掴んだ演奏からは、ベートーヴェンの愉悦と深みがストレートに伝わり、感動! 若さの利点だけが際立ちます。

ベートーヴェンへの献身は、実に美しく、
かつてのクレーメルとアルゲリッチの豪演は古く感じられ、
鮮魚のようなデュメイとピリスの名演も単調に思われてしまいます。


武田康弘

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする