いまでもなお、日本は国連の敵国条項から削除されていません。
同じ敗戦国のドイツとイタリアは外されていますが、日本はダメです。第二次世界大戦中の連合国の敵=枢軸国という規定のままです。この敵国条項は死文化しているといえますが、日本は削除してもらえないのです。
これは、今の日本政府を見ていると、納得です。
太平洋戦争のときにそれを支えた「国体主義」(明治の保守主義がつくった天皇教=靖国思想)を多くの政府関係者や自民党議員はいまだに反省していないからです。自民党閣僚の大多数が「戦前思想=国体主義」を掲げるウヨク団体・「日本会議」のメンバーで、麻生副総理は副代表で、安倍首相は特別顧問です。
日本会議では、天皇の男系遺伝子は、神武天皇(126才の長寿)以来125代にわたり継承されていて、これを変える権利は、総理にも国民にも天皇家にもない、と言い、戦前の軍事大国としての日本を再興すると言いますので、これでは「国連の敵国」だというほかないでしょうね~~。
「主権在民」という民主政の原理とは異なる「天皇主権」の明治憲法をよしとしているのでは、確かに「危ない国家」ですよ!
わが国もきちんと戦前思想の根を洗い、反省し、民主政の社会原則(互いを対等で自由な存在として認め合う民主的倫理に則り、情報公開の下で自由な討議でルールをつくる社会)に基づいた国に変える必要があります。
いつまでも戦前の天皇現人神という思想を根絶できずにいるのでは、戦争反省をしていないことになります。謝罪の言葉があれば反省したとは言えず、無謀な戦争を起こして自他の国民を死なせた政治家への批判と共に、それを支えた思想を批判し変えなけば、ほんとうに反省していることにはなりません。
形式だけ整えるのではなく、内容ー中身を民主政にしないといけないのです。「日本会議」のイデオロギーに依っている限りは、永遠に民主政は実現しません。また国連を脱退しますか?(笑)
武田康弘
コメントへのお応え (武田康弘) 2015-09-07
敵国条項は、「死文化」しているとも考えられますが、日本の長年の求めにも関わらず、残されたままですので、死んでいるわけではないのです。
戦勝国=連合国フランスの法学者は、ドイツ・イタリアなど欧州の枢軸国は、実際上、この条項から外されていると解釈しています(詳しくは、矢部宏治著「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」)。それは、旧枢軸国が戦前の全体主義国家思想を反省し清算している、と連合国により認められているからです。
国連が、日本の天皇主義=国体思想ゆえに条項を残すと言っているわけではありませんが、常任理事国で国連で大きな力をもつ中国は、日本政府の戦前思想を許しがたいものと見ます。それは当然で、他国もその限りでは中国の見方を支持します。
わたしは、中国政治には批判的ですが、それとこの問題は次元が違います。戦前思想を反省・批判・清算しない日本政府を【公共的良識】をもつ市民は、厳しく批判すべきと考えています。
このblogは、戦前の国体思想の愚かさを明確にするために書いたのです。