思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

昭和天皇と国民と。京都御所に戻り、皇居は大戦祈念館等として開放すべきだった。   井上恭子

2015-09-16 | 学芸

以下の論考は、井上恭子さんが、わたしのfbに寄せられたものです。
明晰で落ち着いた論考で、なるほど、と思いましたので、ご紹介します。
武田


(クリックで拡大)
      京都御所
   写真は宮内庁

 

  太平洋戦争で日本人も悲惨な体験をしたのに、先の大戦は間違いではなかったし、戦前の日本人はすばらしかったと言い出す人が絶えない。戦前の特権階級の子孫に多いが、普通の人々にも少なくない。美化が頭の中で反響しているようで、井戸の中から広い空の下に出ない。

 それは戦争の最高責任者がケジメをつけなかったから。

 日本人は過去の事実を「過ぎた事」と、水に流す傾向がある。戦争には複雑な経緯があり、責任は単純ではないが、不慮の事故や天災ではない。たとえ部下が自分の意図を逸脱したとしても、結果責任を負うのが最高責任者。また最高責任者に責任を取らせないようにした、当時の占領軍や内閣にも、民主性の育たない国にした責任がある。過ちに陥った原因や経緯を教訓にしようとせず、風化させようとしてきた。

 戦後、天皇は伝統文化の家元として京都に戻り、皇居を大戦記念館と病院・防災公園・仮設住居などとして開放すべきだった。

 私は若かりし昭和天皇も、時代に翻弄された人だと思うので、責める気はないが、皇居を開放しなかった事と、戦後、真実を詳述されなかった事には責任があると思う。香淳皇后と共に葬られた天皇の日記には、知られざる真実が書かれていたかもしれず、複製もせずに葬った行為は、全く天皇にも国民にも罪な事。

 無謀な戦の「賭け」に陥った原因を深く知って、2度と繰り返さない国になるために、皆がより深く知り、考える必要がある。そして憲法九条を守り、世界中で救援活動などに貢献する国であり続ければ、いずれ近隣国とも和解できるだろうし、いつまでも旭日旗を振り回して、ナルシズムに陥ったりしないと思う。経済力が世界何位とかでなく、自然も、手仕事も、科学も同じ位大切にする魅力のある真珠のような国を目指すべき。

 今のような状態が続くのは、米国の間接的占領政策を利用して、自分の利益や地位を確保したい人が、なぜか各界のリーダーとして権限のある地位に就き、ますます深い蟻地獄を作っているから。それに関して論じようとすると、昭和天皇の責任の所で思考停止になってしまい口を閉ざす。責任を明確にしてケジメをつけた後、それ以上は責めないという方が清々しいと思う。



井上 恭子


以下は、井上さんの推す名言です。

 

「憲法について」masato 原発避難農民さんの名言

 

 

日本国憲法は不戦を世界に誓った理想憲法だと思っています。理想なのだから実践するのは難しい。その難しいことを敗戦を機に世界に誓ったのだ。
現実の世界政治に対応した憲法解釈を追求するといずれ核保有国を目指すことになるだろう。理想だからこそ誇れるし崇高だからこそ周辺国の信頼を得るのだ。


憲法9条誕生の経緯:元首相幣原喜重郎,吉田茂の言葉

◆憲法9条がなぜ書かれたか、いかに合理的か、とても良く解ります。

●長いですが、ぜひ下記サイトのリンク先の内容をご覧下さい。

 (長文ですが、これを読まずに押付け憲法と断定するのは、証拠を見ずに状況のみで犯人を断定しているようなもの)

 

・Blog【こだわり棟梁のまごころ】『小野田寛郎さんの訃報…時代は遠ざかりますね』より

  http://blog.seikikensetsu.co.jp/?eid=1422977  

実際の戦地での経験がある方が90歳代、だんだんと戦争の記憶が風化し、戦争を全く知らない世代が大部分になっています。
高齢者人口の比率が拡大する中で、若いフレッシュな気持ちで、今後の社会を動かしていってもらう事を期待しますが、大切な事が忘れられないかという危惧もあります。それは『敗戦』と言わず、『終戦』という新しい言葉を使ったことに、永遠の平和への決意を感じた事。
最近、終戦直後の憲法制定時の経緯について、事実を知らないまま、勇み足での議論があるかと思い、参考資料を拾い出してみました。長文が多いですが、ご一読頂ければ幸いです。
《平和憲法誕生の経緯、目的と意義、まとめ》
「幣原喜重郎・・・・深謀遠慮の宰相」:小海キリスト教会牧師所感
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20130307/p1
《吉田元首相による回想》岩田行雄の憲法便り:日刊憲法新聞
http://kenpouq.exblog.jp/20491858
*もう販売していない本ですが、タイトルがいいと思う!
「無事がいちばん—不景気なんかこわくない」横井庄一著
  中央公論社 (1983/08)

 

◎【日本国憲法の誕生】(国立国会図書館)

 http://www.ndl.go.jp/constitution/

膨大な資料なので全部読む訳にはいきませんが、こういう資料があるという事、いつまでも公開されるべきだという事でリンクします。(転載等については、許可用のフォームから申し込む事。特定秘密保護法の施行で非公開にされてはいけないので、主要部分だけでも各自記録する必要があるかも。)

 

●【日本国憲法】(憲法に関するサイト:リンク集など)

 http://kenpou2010.web.fc2.com/index.html

 

 

 

コメント (2)
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