渋谷ユーロ、毎日、5時15分~7時
立川シネマシティ 毎日、5時15分~7時
ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る
(クリックで予告編が見られます。)
聴くものが、人生を重ねる時、音は初めて音楽になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/2a/6a58e6fa6db5373c7dc66b10253c074b.jpg)
ウィーン・フィル、ベルリン・フィルと並ぶ世界三大オーケストラである、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)。
2013年、コンセルトヘボウが創立125周年を記念して、1年で50公演をおこなう世界一周のワールドツアーへと旅立った!アルゼンチンから南アフリカ、ロシアへと、気さくな素顔をのぞかせながら、王立御用達(ルビ:ロイヤル)オーケストラが世界をめぐる。その先々で彼らが出会うのは、音楽を心のよりどころに毎日を生きる人びと。文化も境遇もちがう人びとがコンセルトヘボウのコンサートに集い、その演奏に人生を重ねる瞬間。ひとりひとりの心には、かけがえのない宝物が生まれてくる。
本作はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団初の公式記録映画。これまで各国の都市で人生の機微をみつめてきた巨匠エディ・ホニグマン監督(『アンダーグラウンド・オーケストラ』)が、音楽を奏でる人と聴く人みんなの人生を、世界最高峰の演奏に美しく織りこみ、音楽の力に満ちたオーケストラのロードムービーを生みだした。
監督:エディ・ホニグマン/出演:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2014年/98分/オランダ/DCP/配給:SDP
(渋谷ユーロのホームページより転写しました(一部カット)。写真は渋谷ユーロからではありません。)
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はじめて立川に行った。
素晴らしい音響施設の立川シネマⅡで「ロイヤルコンセルトヘボウ」を見、聴くために。
もう、感動で息が苦しくなるほど。涙が止まらない。
これは「ロイヤルコンセルトヘボウ125周年世界ツアー」のドキュメントとアナウンスされていたが、そうではなく、ドキュメントを基底にした人間ドラマであり、フィロソフィの映画です。
人間、生身の人間、悲惨を乗り越える人間、悦びと笑顔に溢れる人間の映画です。
宗教も思想も国家も民族も超えて人間が生きる、音楽はそれらをすべて包み込み、そして上回る人間の営み。芸術の力、人を一番奥深くで支える音楽の底知れぬすばらしさ。
それが理論ではなく、映画で表されている、平明で深く。
オケのメンバーの人間味あふれる顔、動作、言葉。街々でのインタビューの深さ、声を失う。
ショスタコの10番の凄さをコントラバス奏者がユーモラスに語り、最後はマーラーの復活、あらゆる意味での圧制から人間精神は解放される!
ハリウッドとは異なる、オランダ映画の底知れぬ深さと大きさを知った。凄い監督がいたものだ。
(2月28日 武田康弘)