民主政治=自治政治とは、一人ひとりの人間の精神的自立に支えられて可能となる統治で、民主的な倫理意識(上下倫理ではなく)が生みだすもの。
古代アテナでペリクレスの敷いたデモクラシー(民主政)とソクラテスのフィロソフィー(恋知)は両輪です。
主権者を市民とする政治を実現するには、楽しく辛抱強い対話(ボディーランゲージを土台とする広義の対話)による子育て・教育が必要で、それにより一人ひとりを自由と責任をもつ「個人」に育成しないとなりません。
しかし、現実の日本の子育て、学校教育は、それとは異なり、豊かな「自由対話」は存在せず、「意味をつかむ学習」ではなく受験知という形式知の習得と競争になり、倫理は、各自の対等性につく人間的柔らかさ=「民主的倫理」とは異なる上下意識(先輩、目上)の涵養となっています。
これは、戦前日本の後進性そのままですが、ここを変えなければ、先がありません。 結局、「戦前思想」(靖国思想=国体思想=天皇崇拝)に戻るだけにおわります。
武田康弘