思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

日本政府はユネスコに金出さないぞ!南京虐殺事件で抗議(呆れ・危険極まるニッポン主義-世界の孤児へ)

2015-10-14 | 社会批評


論評するのも愚かしいほど愚かな安倍自民党政府。

南京虐殺事件をユネスコが「世界記録遺産」に登録したので、ユネスコへの拠出金を出さないことを日本政府が検討しているとのニュースには、呆れ返るよりありません。

これほどハレンチな話はなく、もはや政府の体もなしていません。ほんらいは、こういうのを「反日」と言うのです。安倍政権を熱烈に支持するウヨクたちが政府批判をする人たちに「反日サヨク」という言葉を投げつけますが、日本という国を貶めるーそのレベルの低さを世界に向けてア・ピールするいまの安倍政府こそは、正真正銘の「反日」です。「反日ウヨク」と命名しましょう。

「日本国憲法」に反する政府ですから、国家権力の正当性はすでに失っていますが。


南京虐殺は紛れもない事実であり、捕虜をまとめて大量処分(揚子江岸に集めて機関銃で乱射し、息のある者は銃剣でぶすぶすと突き刺して全員殺害)と民間人の殺害と物資の強奪と女性の強姦の事実は、多くの日本兵たちの手記と証言で疑う余地はゼロです。

問題となるのはその人数です。30万人はありえない、3万人くらいだという説もありますので、「捕虜と民間人はたった3万人しか殺してないのに、中国のウソつきは許せない!」というのですが、もう開いた口が塞がらないとはこのことです。

皇軍(当時の日本は、軍隊を天皇の軍隊という意味で、皇軍と呼んでいました)の犯した犯罪を自ら正すという基本すらない日本政府は、世界の孤児になります。まさに反日ウヨクです。

 

先日、日本テレビでは、南京事件の詳細を旧日本兵たちの手記とTVインタビューで伝えたばかりです。必見・必聴です。

http://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/9f1bec37ba1b3ce506c002047c4b38cc



武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室客員「日本国憲法の哲学的土台」の講義が仕事)


 

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ルネ・レイホヴィッツとの衝撃の出会い! サティ「ソクラテス」 ベートーヴェン交響曲全集など。

2015-10-12 | 芸術

ジャケットデザインに惹かれてたまたま購入した輸入盤が、レイボヴィッツの指揮したサティの『ソクラテス』。その生々しい実在感のある美に触れて呆然自失。

半世紀近くのクラシックファンのわたしですが、まったく知らない人でしたので、慌てて調べたら、ベートーヴェンの交響曲全集が出ているのを知り、それを購入、続けてこの13枚組(ベートーヴェンはだぶる)を買いました。

どの曲も出だしから「採れたてホヤホヤ」のような音にゾクっときます。

第九は4回聴きました。交響曲の5番から第九まで通して聴いても感動感激が持続し、倍加されます。音がフレーズが音楽がいま作曲されたばかりという感じで生きているのです。わずか61分の第九など鳥肌が立ちっぱなしです。1番2番も大変な名演ですし、エロイカも4番もみな快適快調で新鮮この上なし。シューベルトの9番もあっという間に終わってしまう。春の祭典は、昨年話題となった原点回帰のロトを半世紀以上前に実現させていたレイホヴィッツの先駆性に言葉もない。しかもフルオケの迫力のまま。

とにかく、超モダン性と音楽の生気がみなぎるさまは、クラシックのダルさを微塵も感じさせない名演集で、これが半世紀以上前の録音とは恐れ入ります。録音も超低域こそないが、まるで最新録音のよう。CD聴いてこんなに驚いた経験は初めて。レイボヴィッツは、作曲者=創造者の目と精神で楽曲を再現していて、とくにベートーヴェンは楽曲のイデアを直接見るような眩さ。

録音はすべて1960年~62年 レイボヴィッツ46歳~48歳。この13枚組のボックスは、ルネ・レイボヴィッツ ルネサンスの導火線となるかも。必聴です。聴けば仰天・感動間違いなし。

 

武田康弘

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ディベートの授業をやめないと、表層思考の単純人間が増えます。教師のみなさん、ぜひ心してください。

2015-10-11 | 学芸

以前に出したblogですが、再録します。

教師のみなさん、あたなたちが何気なくしていることは、フィロソフィ(直訳は「恋知」・従来の邦訳は「哲学」)を否定し、ソフィスト的人間をつくる営みなのです。
以下をご熟読願います。ご質問をお寄せ下されば、お応えします。



ネトウヨ的思考を培養してしまう学校でのディベート授業の現実。フィロソフィーへの転回を。

2015-09-20 | 学芸

 わたしは、こどもたちと毎日接しています。彼らの話しを聞くと、小学5年生からディベートの授業が行われているのですが、その模様には頭を抱えてしまいます。

 猫がいいか、犬がいいか。
 山がいいか、海がいいか。
 ディズニーランドがいいか、ユニバーサルスタジオがいいか。

 高校生では、
 大きな政府がいいか、小さな政府がいいか。

 これを二手に分かれて言い合い、勝ち負けをつけるのだそうです。

 これは、古代ギリシャでのソフィストの言論技術ー「勝てる言い方」の習得と同じですが、それと闘い、なにが「ほんとう=真実」なのかを求めての問答法=ディアレクティケーを実践したのが、ソクラテスでした。

 ソクラテスは、もっともらしく見せる言論、勝ち負けを競うための言論、人を酔わせるような言論を厳しく戒めました。プラトンによるソクラテスの対話編『パイドロス』(ソクラテス思想の芯を現わした代表作)でクリアーに説明されていますが、まず、言葉の意味をしっかり定義し、総合と分割の方法により、話を一つの身体のように全体像を示す必要があります。

 それは、なにがほんとうかを求める言葉=思考の訓練のために必要なので、それがフィロソフィー(直訳は「恋知」・従来の邦訳は「哲学」)の営みです。

 勝ち負け優先ではなく、なにがほんとうなのだろうか?と問う心=姿勢は、人が生きる上で何よりも大切です。真実についての答えは、あらかじめ決まっているのではなく、問答的思考(自問自答を下敷きにし、問い・応える)により、段々と開示されてくるもので、その営みが自他に深い納得をうむわけです。

 そういう考え方と方法によらないと、言葉は、生きて輝きません。自他の生を豊かにするよきものとはなりません。ディベート(ソフィストの手法)の訓練は、ディアレクティケーを身に付けるのとは逆に、【形式論理】の組み合わせで、相手を黙らせる技術をもつ悪しき人間をうむだけです。

 AはAでありBではない、という単純な思考は、ある一点だけで見ると反駁不能になりますので、それを組み合わせると、一見、もっともらしく厳密に見えるな理屈がつくれます。
しかし、現実は、Aは時間の経過とともにAではなくなりますし、また、同じものでも量が多いと質を変えてしまい、AはAではなくなります。また、部分を組み合わせても全体にはならず、全体を俯瞰できなければ部分の意味は分かりません。逆に、全体は適切に分割されて分析されないと混沌のままです。

 こういう優れた思考は、フィロソフィの実践がないとできず、ディベートは、それを阻害する役割しか果たさないのです。

 具体的な実践例としては、アメリカの公教育の一部で行われている「6才からのソクラテス教室」 (イギリスBBC制作で1990年にNHKが放映)あり、フランスの幼稚園の一部で行われている「こどもの哲学対話」(DVDで発売・文部科学省推薦)です。日本でもそのような取組をしないといけないはずです(白樺教育館のソクラテス教室では何十年間も続けていますが)。

 ネトウヨ(ネットウヨク)と呼ばれるのは、戦前思想につく人で、安倍首相を熱烈に支持する若者ですが、政治的には右翼ではなくとも、ネトウヨ的な思考=単線的、平面的な形式論理でしか考えられない人がとても多いのが現実です。学校でのディベート授業をやめ、本質に向けて思考するフィロソフィの実践を始めなければ、日本の未来は拓けないと思います。

 

武田康弘

 

付録 ハーバード大学 対 囚人チーム。
 http://www.theguardian.com/education/2015/oct/07/harvards-prestigious-debate-team-loses-to-new-york-prison-inmates

情報提供は、コロラド州在住の言語学者 三枝恭子さん

 

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南京虐殺ー日本テレビが詳細な事実レポート。謝って済むことではない。

2015-10-06 | 学芸

一昨日の夜中に偶然見たTV(日テレ)http://www.dailymotion.com/video/x38lb8r

南京で書かれた兵士たちの日記に沿い、本人たちの直接証言に基づく番組、事実のもつ重さに言葉が出ません。元陸軍兵士たちだけでなく、元海軍兵士(揚子江岸が主な殺戮現場であり、それを船から目撃)も生々しく証言していました。上官に口止めされたとのこと。

長いこと日本政府は、反省に基づく調査もせずできましたが、日本人の人間性を疑わせます。人間としての日本人にならなければいけません。



いままた中国を仮想的国として軍備増強に走る安倍政権の愚かさには呆れるほかありません。【根源的な公共悪】と言えます。

尖閣問題も検討すらせず、日本固有の領土との一点張り・台湾州のトップであり、終戦時は、支那方面連合艦隊司令長官であった福田良三(海軍中将・勲一等)さんの話ー実娘の清水(福田)光子さん(わが白樺同人)のお話を聞けば、戦前は、台湾州であったのは間違いないことなのに)



日本テレビの良心あるスタッフのみなさんには感謝です。人間の名に値する人間として生きるためには、戦前思想との決別が必要です。国民の必読書が「戦前回帰」です。まず思想的事実を知らなければ。各自の考えは、その「事実」(本質意味)を知ってからです。

 

武田康弘

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無実の人を死罪にする日本という国家ーー司法官僚としての利益しか考えない非人間性はなぜ生じるのか?

2015-10-05 | 社会批評

 【人権思想の否定】、安倍首相の友人で政府の教育再生実行会議のメンバー八木秀次(麗澤大学教授)は、「反人権宣言」(ちくま新書)で、人権思想は欧米の生んだものとして否定し、「日本人は国民の常識に戻るべき」といい、明治の天皇主義国家への恭順を説きますが(完全にイカレテルとしか言えませんね)、

 まさに日本国民、ではなく、日本国家の常識が人権無視であることは、連続する冤罪の数々(国家犯罪)で明らかでしょう。

 警察官僚とか検察官僚とか司法官僚(裁判官)の人権思想のなさ=国家主義は、民主的倫理に基づく民主政国家とは縁遠いものですが、なぜ、彼らはそのような人間(善美への憧れをもたないただの「事実人」)に堕ちるのでしょうか。

 フィロソフィがないこと=国家という概念に縛られるウソの世界の住人にすぎないこと、かれらの不毛で非人間的な「国家主義」は、人権を元から犯す悪を悪とも思わずに実行してしまいます。

 昨日もまた取返しのつかない悲劇が結果しました。許されざることです。この【公共悪】を絶つには、日本の民主化が必要です。国家主義から市民主権の国へ変えないと、酷い悪行(右翼政治家と結びついた官僚による支配)がやまりません。

 八木秀次の言う「国民の常識」(明治政府がつくった天皇主義)ではなく、人間に共通する権利を守るためには、国民の常識を「人間の常識」にまで高めなければいけないのです。これは、人類普遍の原則。各国の常識は、その中でのみ許されるのものです。

 官僚の諸君は、自分も他人も人間であることを自覚するところからスタートしなければなりません。人はみな対等な存在であるという人権思想の核心を踏み外せば、すべてお終いです。

武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室客員ー「日本国憲法の哲学的土台」を講義)

今朝の東京新聞一面「筆洗」

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ああ、イブラギモヴァ。カリスマではなく、人間味あふれる世紀の天才! 昨日の写真つき

2015-10-02 | 芸術


以下は、昨晩(10月1日)の演奏会後にfbに書いたもの。

古典的でロマン的で現代的、
歌があり語りがあり、モノローグがありダイアローグがあった。
壮大な物語があり、小さな詩があった。
可憐さがあり、堂々とした風格があり、静けさがあり、強烈なパワーがあった。
ーーーーすべては美しかった、だから最高のモーツァルトなのだ。

ピアノはだいぶ劣るが、わたしには、イブラギモヴァのヴァイオリンばかりが聞こえた。この人は30歳にしてすでに並ぶものなし、師のクレーメルさえかなわない。
彼女のすごいのは、カリスマ性さえ超えて、きわめて人間的なこと。やわらかでしなやかで、優しさに満ちている。
 
 まるでオケを聞いているような錯覚にも襲われた。
 透き通るようで実在感のある美音に全身が痺れた。
 内容の豊かさは筆舌に尽くしがたい。
ーーーー言葉にならぬ批評できぬ音楽があった、だから最高のモーツァルトなのだ。




イブラギモヴァ、21世紀の天才(カリスマではなく人間味あふれる優しき天才)の情報は、クリックで出ます。


川崎ミューザで感動!異次元のイブラギモヴァ。女性が開く21世紀のクラシック。名ホールと東響と。


写真は、昨日の演奏会後のサイン会で。会場は、王子ホール(銀座4丁目)。二枚目は、強トリミング。 (撮影 武田康弘 ソニーRX-1R iso4000)



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