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調べものをしていて、広告を観ながら楽しんでしまうこともあるわたくしですが――、「水爆大怪獣映画大新記録樹立!」とあって下を見ると「女性に関する十二章」とある。そして「あなたのコイビトをヌードにして そっと心の中を研究しましょう」と解説しているが、確かに、ゴジラもヌードであり、多くの人たちはいまだにゴジラの心を忖度して興奮している訳だ。原作者の伊藤整もまさか怪獣とヌードで戦わなければならないとは思っていなかったであろう。しかし、チャタレイ夫人なんかも大自然の中を暴れ回ったりするわけであるから、自業自得である。
見開きの広告に踊っているのは「ゴジラ」、「あんみつ姫」、「女性に関する十二章」、「密輸船」――みんな観たい作品ばかりだ。
他の新聞を見ていたら、「二十四の瞳」と同時上映の「力道山大いに怒る」が並んで広告になっている。どっちを先に見るかにもよるが、泣いてばかりでも怒ってばかりでもいけないのである。
確かに、わたくしも、何かの映画を観るために、「とっとこハム太郎」や「ドラえもんなんとか大冒険」を一緒に観たことがある。こういうアニメが泣きを目指していることにわたくしは大いに怒っている。