霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

「安全」最優先

2013-10-26 12:23:44 | 社会
仙台で暮らす従兄弟の息子が市野々の祖母の収穫の手伝いに来ていた際に話す機会があった。
来春卒業で既に就職先も決まったという大学生によると「仲間内では原発容認派が多い」とのこと。
その理由を尋ねたら「電気の無い生活は困るから」と単純明快だった。
「原発ゼロ=電気ゼロ」とはならないのは当然のことなのに若者達が誤解しているのは政府や電力
会社のプロパガンダが「功を奏している」ためかもしれない。

原発が無くとも電気が供給できることは今の日本が証明していること。
しかし、現時点では高コストの発電となることから電気料金が高くなるのはある程度甘受しなけれ
ばならない。
それで家計が苦しくなったり企業の競争力が低下したりするのかもしれないが「人が住めない国に
するよりもずっとマシ」と思わなければならない。


(五号ハウスに隣接する野菜畑。左からブロッコリー、白菜、大根。大根は既に収獲を始めた)

「電気を安定的に供給できない」、「原発立地周辺地域の経済が成り立たない」、「経済界から強い
要望がある」等々で自民党政府は再稼働を正当化しようとしているが、本当に「安全を最優先で
考える」というのであれば、原発以外の方法でそれらの課題に対処すべきと考える。

小泉元総理大臣が突然「原発ゼロ」を主張し始めて話題になっている。
「原発の恐さに今頃になってようやく気付いたか」との気持ちがしないでもないが、それでも影響力
の大きい元総理大臣の変身は大いに歓迎したい。
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鶏舎の清掃

2013-10-25 19:26:05 | 家畜
昨夜からの本格的な雨が今日も一日中降り続いた。
さすがに外の仕事は無理なので午前中は鶏舎の掃除に精を出した。
来年に備えてトウモロコシ畑等に豚堆肥と併せ鶏糞堆肥も撒くのが恒例となっている。

家の周辺の畑の場合は、運搬車を鶏舎に横付けして直接積み込むが、運搬車では
距離があり過ぎる後山の畑等の場合は、面倒でも肥料の空き袋に詰め込んでから
軽トラで運搬するようにしている。


(先日紹介したカラタチの直ぐ傍でアケビが6個ほど口を開いていた)

鶏糞堆肥の活用と鶏舎の清掃という一石二鳥のこの仕事は、寒い冬を控えた鶏舎に
乾いた籾殻が敷かれるので鶏達にも歓迎されるはず。
にもかかわらず今年の鶏達は作業に支障が出るぐらい怖がって騒々しかった。
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小雨の中の収穫

2013-10-24 17:15:14 | 天気
小雨ながら雨の日が三日も続いている。
加えて今夜から明日に掛けては本格的な雨の予報も出ている。

このままでは「秋の農作業」が遅れ遅れになってしまうので、小雨の中で収穫を決行した。
それでも大豆の収穫では雨があまり気にならなかったが、ヤーコンやサトイモの収穫は
スコップや長靴に土がへばり付いて大変だった。


(収獲したヤーコン)

行きがけの駄賃のようにヤーコンの隣の畝にあった牛蒡を今夜のオカズ用に一本だけ
掘ったが、この「予定外の仕事」が難事業で後悔させられた。
本格的に牛蒡を収穫する際は、バックホーを使った方が良さそうだ。



ブログの愛読者でもあるバド仲間のAちゃんから先日の練習中に「私、渋柿混じりの柿が
大好きなんだけど・・・」と渋味の利いたリクエスト(笑)を頂戴した。
いつも懇切丁寧にご指導頂いている御礼として早速今夜の練習に持参する約束をしてい
たので「小雨の中の収穫」に柿も加わった。
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新聞のコラムから その二

2013-10-23 18:34:59 | 社会
これも「全国農業新聞」に「食べる中国、もっと国内生産を」と題して掲載された農業ジャーナリストの
中村靖彦さんのコラム。
中国にかこつけて暗に日本を批判したのかもしれない。


(10月下旬だというのに寒さはイマイチ。それでも里山も色づいて来た)

中国の米輸入量が、今年世界一を記録しそうだという。アメリカ農務省の予測によると2013年の輸入量は320万トンで
世界最大になる。米の国際的な貿易量はもともとそう多くない。その土地に合った穀類を栽培し、食べているからである。
中国も2億トンを超える量を生産しながら、なおこれだけの量を輸入するというのは、需給がかなり逼迫しているのだろう。
米だけではない。中国の穀類の輸入は、大豆は既に6千万トンで世界最大、そして、かっては輸出していたトウモロコシも
輸入国に転じた。かねてからの懸念、レスター・ブラウンの「誰が中国を養うのか」が意外に早く現実のものとなりつつある
ことを感じる。中国の大量輸入は世界の食料事情を揺り動かす。同じく食料の大輸入国である日本への影響も大きい。
今年の三月のクロマグロの中国との買付け競争ぐらいならいいが、主要食料の争奪戦は国際競争を激化して好ましくない。
解決策はただ一つだと私は思う。それは中国の国内の農業生産を頑張ってもらうことである。広大な国土と豊富な人的資源
を擁しながら、最近、農業生産は順調とは言えない。どこの国でもそうだが、経済が高度に生長していくと、農業などの
第一次産業に従事する人は減っていく。製造業や流通業に比べて金にならないからである。
水の問題もある。中国の水不足は深刻で、都市によっては生活用水も足りない程で、農業用水の確保は重要な課題である。
中国政府は、農業と農村を活性化させるために力を入れている。都市部との格差是正は大切な国の課題である。それでも、
工場用地確保のために、農村から暴力で農家を追い出したりする不法行為も後を絶たない。
国内自給を高める中国の努力が、世界の食料安定のためにも求められている。
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新聞のコラムより その一

2013-10-22 17:24:22 | 社会
新聞にも目を通せない毎日が二カ月ほど続いたが、ようやく解消し「全国農業新聞」で興味深いコラムを
見つけたので二回に分けて紹介したい。


(庭の秋明菊)

農民作家の山下惣一さんは「ダーチャ市民皆農の世界」と題して書いていた。

「ダーチャ」体験のために三泊四日でハバロフスクに行ってきた。ダーチャは都市住民が郊外に持つ家付き
自給菜園のことでは8割がこれを所持しておりロシアのジャガイモの90%を生産しているという。
二泊させてもらったのは元市交通局勤務のチェンコワさん(68)と元幼稚園先生のリューバさん(65)夫妻の
ダーチャで、1600平方メートルと広かった。夫妻はここにサウナ付きの家を手造りで建て、各20種類の野菜と
果樹を育てニワトリを飼い、夏の間をダーチャで暮らす。その間に冬のための食料を確保し加工し保存食を
作り地下室に貯蔵して都心に戻り、マイナス20度、雪と氷に閉ざされる長い冬を高層アパートで過ごす。この
ようにロシアの市民はアパートとダーチャを行き来して暮らしている。ダーチャを持たない若い世代は両親や
祖父母のダーチャに依存している。学校の夏休みが3カ月あるため、どこのダーチャでも祖父母と孫が同居
しているのが多かった。若いカップルが両親のダーチャからジャガイモ、トマト、キュウリなどどっさりと乗用車
に積んでいく姿も見られ、ジャガイモの90%生産もまんざら大ボラでもなさそうだ。
まさに市民皆農の世界でみんな楽しそうだった。リューバさんにソ連崩壊当時の体験を仰望したら、話が止ま
らなくなり夜明けまで続きそうだった。「昔はよかったよ。
生活の心配がなく失業者もいなかった。教育は無料で2人の息子は大学を出たよ。今は豊かになったというけ
れど若い人たちは職探しが大変なようだよ」
現在夫婦は年金暮らしだが2人でひと月2万ルーブル(7万円)。「年金だけでは大変だけれど、ダーチャがある
から豊かに暮らしていけるよ」と笑う。ロシアの古い諺に「イモ植えりゃ国破れてもわが身あり」という。
ソ連崩壊の混乱期に餓死者が出なかったのはダーチャのおかげだといわれている。
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