
少し早起きをして6時半過ぎに宿を発ち、琴弾山(58.6m)の麓を目指す。
表の通りを左にとり、、財田川を渡り、細い道をたどるとその先に20段ばかりの
石段が見えて来る。
その上には「七宝山 神恵院 観音寺」と書かれた仁王門が建っていた。
68番札所・神恵院と69番札所・観音寺は、同一境内にある珍しい札所である。

仁王門を潜って下の敷地一帯が69番札所で右に本堂、左に大師堂が有る。
そこからさらに石の階段を少し登るとその中腹が68番で、コンクリート造りの本堂と
大師堂が有り、順番から言えば、こちらからという事になる。


ここからは書院の前に広がる巍々園(ぎぎえん)と言う庭園が見下ろせる。
琴弾山を借景に、その斜面を利用した枯山水の回遊式庭園で、何代か前の住職の
手になるものだそうだ。。

納経所の開くのを既に二人の歩き遍路が待っていた。ここは納経所も共通で、
一か所で二つの受印が受けられる。
納経料も2か所分必要となることは言うまでもない。
69番の本堂脇から展望台への道が出来ていて、ここを上がると有名な琴弾公園
の外周345mの寛永通宝銭形を見下ろすことが出来るらしいが、ここは割愛し先を
急ぐことにする。

70番札所本山寺までは5キロ弱、凡そ1時間強の行程である。
再び来た道を財田川まで引き換えし、ここからは川沿いの道を歩くことに成る。
右岸でも左岸でも行けるらしいが、車が少なくて何となく歩き易そうな左岸を歩く。
暫く歩くと左手前方の森の中に、端正な姿の塔が見え隠れしている。どうやらそこ
が札所らしいが、見えているのに中々近付いてはこない。(続)


