宿を後に国道11号を歩き、琴電屋島駅の横で遍路道に合流する。
左手に見える琴電の屋島駅は、昭和4年に建てられた駅で、名駅舎の誉れも高い。
軒の出が浅い緩勾配のスレート屋根、出入りの無い平面的な外壁、切り込まれた
縦長の窓、モダンな印象の駅舎は完全なシンメトリーだ。
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昭和の初期、ケーブルと共に屋島観光を支えた玄関駅は今では無人駅となった。
平成21年には経産省から、近代化産業遺産に認定されている。
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途中、洲崎寺やうどんの有名店を見ながら、細い道を緩く上っていくと道はやがて
八栗ケーブルの乗り場に行き当たる。
その横に大きな鳥居が建ち、それを潜ると八栗寺への参道が延び、それを暫く登る
と「よもぎ餅の本家」の看板を掲げる茶店がある。
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ここは近頃ではテレビなどでも取り上げられる有名店である。
店は百年以上も続く老舗で、今の店主は三代目と言う。
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ここの売りは何と言っても近くの山で摘んだ新鮮なヨモギと、地元産に拘った米と
もち米を合わせた粉で作った餅生地だ。
「出来立てを味わってほしいから・・・」と作り置きはせず、注文を聞いてから一つず
つ餡を包んで丸めてくれる。
一口頬張ると柔らかなお餅の食感が何とも優しい。
きな粉の香ばしさ、餡の甘み、ヨモギの僅かな苦味が口いっぱいに広がり、得も言
われぬ美味しさである。
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「男はつらいよ・寅次郎の縁談」で香川ロケの際、わざわざ寅さんが食べに来たと
言う。「寅さん、その日調子がすごく悪くて・・、それでもここに座って食べて行ったよ」
もっと話を聞きたかったが、奥で電話の呼び出し音が鳴り、話は中断した。(続)
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左手に見える琴電の屋島駅は、昭和4年に建てられた駅で、名駅舎の誉れも高い。
軒の出が浅い緩勾配のスレート屋根、出入りの無い平面的な外壁、切り込まれた
縦長の窓、モダンな印象の駅舎は完全なシンメトリーだ。
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昭和の初期、ケーブルと共に屋島観光を支えた玄関駅は今では無人駅となった。
平成21年には経産省から、近代化産業遺産に認定されている。
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途中、洲崎寺やうどんの有名店を見ながら、細い道を緩く上っていくと道はやがて
八栗ケーブルの乗り場に行き当たる。
その横に大きな鳥居が建ち、それを潜ると八栗寺への参道が延び、それを暫く登る
と「よもぎ餅の本家」の看板を掲げる茶店がある。
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ここは近頃ではテレビなどでも取り上げられる有名店である。
店は百年以上も続く老舗で、今の店主は三代目と言う。
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ここの売りは何と言っても近くの山で摘んだ新鮮なヨモギと、地元産に拘った米と
もち米を合わせた粉で作った餅生地だ。
「出来立てを味わってほしいから・・・」と作り置きはせず、注文を聞いてから一つず
つ餡を包んで丸めてくれる。
一口頬張ると柔らかなお餅の食感が何とも優しい。
きな粉の香ばしさ、餡の甘み、ヨモギの僅かな苦味が口いっぱいに広がり、得も言
われぬ美味しさである。
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「男はつらいよ・寅次郎の縁談」で香川ロケの際、わざわざ寅さんが食べに来たと
言う。「寅さん、その日調子がすごく悪くて・・、それでもここに座って食べて行ったよ」
もっと話を聞きたかったが、奥で電話の呼び出し音が鳴り、話は中断した。(続)
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