駅のホームから駅弁売りが消え、立ち食いソバの店が少なくなった。
それは、長距離を運行する列車が少なくなったこと、列車の停車時間が短くなった
こと、窓自体が開かない車両が増えたこと、など考えられる事情は沢山ある。
中でも駅弁売りは、その過酷な重労働な販売方法に、成り手がないと言うことらし
く、そのことも廃れた原因である。
地方のホームから消え、少なくなったのは何もそれだけではない。
かつて長距離列車が発着し、乗降客で賑わった大きな駅のホームなら、どこにで
もあった「KIOSK」と言う売店も、ホームからの撤退が進んでいるようだ。
一昔前の列車旅では、乗客は列車が駅に到着すると、車内放送で発車時刻を
確認し、その停車中に駅弁やお茶、ビールや冷凍ミカンなどを買おうと我先に
ホームに降り、そして駆け出し、売店を目指すと言った光景がよく見られたものだ。
しかし最近のように長距離列車が激減し、長距離の旅行が新幹線や飛行機に
シフトすると、列車は日常的な通勤・通学の利便のためのダイヤ中心に変わって
いった。
そうなると、当然のことながら客筋は変わり、乗客の売店に対するニーズも多様
化し、それによりホームに立地する売店に客とのミスマッチが生じ、結果存在意
義も薄れて行く。
経営側からしても各ホームに店を構えていたら非効率で、物流や要員の手当だ
けでも大変であり、かくして多くは駅の構内の一つの店舗に集約され、その犠牲で
閉鎖されていくのがこうしたホームの売店である。(続)
(写真:名松線・伊勢奥津駅 本文とは無関係)
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