簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

こけ女(JR乗り潰しの旅)

2015-03-09 | Weblog
 「こけ女」と言う聞きなれない言葉が有るそうだ。
なにも、転んだ女性のことを面白がって言うのではない。
歴史好きな女性を「歴女(れきじょ)」山好きな女性を「山ガール」と言うように、東
北地方に伝わる工芸品の「伝統こけし」が好きで、産地を訪ね歩いたり、鑑賞し、
収集したりする女性を指す言葉だそうだ。



 今首都圏などでは、この伝統こけしが静かなブームになっているらしい。
過去に昭和10年代と昭和30~40年代にはブームに成ったことが有ったが、この当
時は主に中高年の男性を中心に広がっていた。そして今が三度目のこけしブーム
と言う事で、その中心が若い女性だと言う。



 それを裏付けるように書店には、明らかに女性を意識した、今まで目にすることも
無かったような装丁の「こけし本」を見たりする。
民芸品、伝統工芸品としてではなく、そのデザイン性に着目し、芸術として、またか
わいらしさ、面白さを味わおうとする切り口が新鮮で共感を呼んでいるのかとも思う。



 こけしは二つとして同じ表情がない。
同じ工人の作品でさえ、その時の状態で一つ一つ違う表情に描かれると言う。
そんなこけしを見比べながら、さまざまな思いを込めて自分を探す。
こけしを探すことは、自分自身を探すこと・・・。
こけしは何も語らない。
しかし見ているだけで心を癒し、慰めてくれる不思議な魅力を秘めている。



 世の中が癒しを求める時、こけしの人気が出る・・・と言う人もいるとか。
いまがそう言うご時世なのかもしれないが、折角訪れたブームだ、一過性で終わら
ず、長続きして欲しいものだと切に願わずにはいられない。(完)






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