簾 満月「バスの助手席」

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笠寺観音縁起 (東海道歩き旅・尾張の国)

2022-07-04 | Weblog
 天林山・笠覆寺(笠寺)の縁起は、このように書かれている。
「ある日、呼続の浜に一本の木が打ち上がった。その木は夜になると
不思議な光を放つことから、村人は霊木として恐れたと言う。
そんな折僧・善光上人は夢のお告げを受け、霊木を削り、十一面観世
音菩薩とし、堂を造り本尊として安置した。それが小松寺である。」



 建立から百数十年の時が過ぎ、寺は何時しか荒廃する。
そんな折鳴海に一人の娘が住んでいた。その謂れが続けて書かれている。

 「ある雨の日ずぶ濡れになった観音様を見て可哀想に思った娘は、自
分が被っていた笠をとり、観音様にかぶせた。後日鳴海を訪れ、このこ
とを知った中将・藤原兼平公がその優しい心に引かれ、妻として迎える
ことになった。この妻は「玉照姫」と呼ばれるようになった。」



 この縁により夫婦は荒れていた「小松寺」にお堂を建て、笠を被った
観音様をお祭りし、「笠覆寺」として復興した。
それ以来寺は、縁結びのご利益新たとして知られるようになった。



 「南無十一面観世音菩薩」と書かれた赤い幟旗の並び立つ本堂の横に、
「玉照姫・兼平公御夫婦」の白い幟旗が立つのが玉照姫のお堂である。
本堂の軒下には白い幕が掛けられ寺紋で有ろうか市女笠が描かれている。



 境内には本堂を中心に鐘楼や多宝塔、芭蕉の句碑、宮本武蔵の供養碑、
キリシタン灯籠などが古色を見せて佇んでいる。
そんな中本堂周りの白と赤の入り交じる様はよく目立ち、圧倒されるほ
どに賑々しく華やかだ。



 寺の梵鐘は県文化財指定の由緒あるもので、尾張三名鐘の一つと言う。
大晦日の除夜の鐘として一般公開され、参拝者も撞く事が出来るらしい。(続)





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