簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

宿場の備え(東海道歩き旅・遠江の国)

2020-09-23 | Weblog


 日坂宿の西の外れにも、秋葉の常夜灯が建っていた。
この宿場では度々火災の発生があることから、昔から根強い秋葉の火
防信仰があり、当時は宿内の三カ所に常夜灯が建てられていたと言う。



 幕府は江戸防備の観点から、街道筋には様々な施策を講じていた。
主要な街道の要所には関所を設け、通行人を改めていた。
街道筋の主要な大河には橋を架けず、舟で渡ることさえも禁じ、あえ
て手間のかかる人足渡しを行っていた。



 宿場の出入口である見附には、大木戸(宿場の出入り口を示す観音
開きの大きな戸)を設け、出入りの出来る時間を定めて、その宿場内
以外の場所での宿泊も原則禁じていた。
その場所にはそんなことを高札に書き留めた高札を掲げていた。



 また宿内の道路は、火災時の延焼防止の観点からやや広めの道路を
通していた。しかしそんな道も決して直線とはせず、敢て曲げ、曲尺
手と言われる意図的にクランク状の道を何カ所も設けるなどの対処を
行っていた。

 その為中には「○○宿の△曲がり」と言われるような、複雑に何回も
曲がりを繰り返す道もでき、是が宿場の名所としてみられるところま
であった。



 小さな宿場である日坂宿には、大木戸は無かったが小さな門が設け
られていたと言う。
横を流れる逆川には古宮橋と呼ばれる幅も狭く粗末な木橋がかけられ
ていて、非常時には簡単に落とす事の出来る構造であったらしい。



 お城で言えば丁度お堀のような役割を果たしていた川の流れそのも
のが、大木戸の役割をも果たしていたようだ。この場所が京方の見附
に当り、下木戸と呼ばれる高札場が有り、今は復元された高札が掲げ
られている。(続)




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