簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

突然の雨 (東海道五十七次歩き旅・山城国)

2024-12-09 | Weblog
 街道はこの先人家の乏しい地域を進むことになるが、この頃になると
雲行きが少し、怪しくなってきた。この日の天気予報は晴れながら、降
水量0㎜では有るが突然の雨に注意と言っていた。
ここまでは青空に所々白い雲が浮ぶ、穏やかな気候で歩きやすい日であ
ったが、その空は何時しか濃い灰色に変わっている。



 「勧修寺下ノ茶屋町」を過ぎ、右の高速道路と並行する道は、反対側
は山地で、地図で確認すると人家や店舗は殆ど見られない。
こんなところで荒れた天気にでもなったら大変と少し歩みを早めて上っ
てきた。

 

 しかし、空はすっかり黒くなり、辺りも幾分暗くなったようで、一段
と強くなった風は冷気を含んで吹き、街道脇の木々をワサワサと揺らし、
すでにぽつりぽつりと大粒な雨を落し始めている。



 雨になったら、あそこに駆け込もうと思っていた。
高速下には、それを横切る道路のトンネルが幾つかあり、降り出したら
そこへ、と思っていた矢先いきなりザーッと来た。
 幸いな事に、たまたま35号大津淀線の車も途絶えていたので、難なく
道路を横断出来た。予めの心構で咄嗟に高架下のトンネルに駆け込むこ
とが出来、大して濡れることもなかったのが幸いだ。



 雨で気温が若干下がったのか、トンネルの中故か、逃れた場所では少
し肌寒く感じる。ここは滅多に車も来ないので座り込んで、カロリーメ
イトをかじり、腹ごしらえをし、十分に水分を補給した。
ここまでは雨を気にして、急ぎ足でろくに休憩も取らず歩き続けてきた
ので、丁度良い足休めと成った。



 10分ほど降った雨は、これで気が済んだのか、何事もなかったかの様
に止んだ。幾分気温が下がったようで、外は心地よい風が吹いている。
見上げる空には、既に青空が戻り薄日も差してきた。(続)





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