簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

艦内の生活(海上自衛隊呉基地見学記)

2019-08-14 | Weblog

 潜水艦が一度その任務に就けば、浮上して海面を見、青い空や星空を眺める
事も滅多にない、長い航海に成るという。
その間「音を出さない、音との戦い」が何ヶ月も続くのだそうだ。
様々な任務中でも、極力音を出さない工夫が求められる。
それだけに潜水艦の行動は孤独で、味方の艦とも通信を控えるほどだという。





 そんな艦内では休憩時間でさえ、音との戦いを休むことが許されないのだ。
当然の事ながら、スマホも携帯もない生活で、それどころか家族や友人との連
絡もままならない。
深海では急遽帰ると言うわけにも行かず、当然親の死に目にも会えないという。





 隊内では上司の命令は絶対であろう。上下関係のある男達が70名余り乗り込
んで、狭い空間で四六時中顔を突き合わす生活の軋轢は想像に余りある。
しかも艦内は、独特な匂いがして、生活環境は決して良いとは言えないのだ。

 機械の発する熱や油の匂いに混じり、男の体臭や食事等の生活臭に、時には
糞便の匂いが入り交じる不思議な匂いだ、と案内の隊員が面白おかしく語って
聞かせてくれたが、このことすら心穏やかに任務をこなすには障害になるほど
だという。





 勿論空調が無いわけでは無いし、トイレもタンクが満杯になれば高圧をかけ
て海中に排出されると言うが、電気を消費するものは極力減らさないといけな
いらしい。なにしろ艦内の電気が無くなれば(バッテリーが切れれば)、隊員
の命に関わる。そうなれば浮上しないわけにはいかない。
これが戦時なら敵に白旗を掲げることになる。
それだけ隊員には強固な体力と合わせ、強靱な精神力が求められているのだ。(続)

「バリ島旅行記」再編集しました


にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 潜水艦・みちしお(海上自衛... | トップ | 「おやしお型」と「そうりゅ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事