簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

終の棲家の最寄り駅

2022-12-26 | Weblog
 凡そ半世紀程前、転勤で当地に赴き、10年程してこの町を終の棲家と
決め、家を建て住み着いた。廻りに小高い山が連なり、間を小さな川が
流れ、豊かに実る田圃や、ブドウ・桃畑が広がる長閑な地で、災害も比
較的少ない住みやすい町である。
乱舞するホタル、蛙の合唱、自然のキジ、曼珠沙華の畦道、桃の開花時
期の美しさを、初めて知ったのはこの地に来てからだ。





 人口が1.5万人程ながら、国鉄幹線の駅が二つあり、市の中心駅までに
一駅有るものの、15分程と交通至便なところで、当時は毎時2本、朝夕
はそれ以上の運行本数があった。

 その後平成の合併で隣接する市に吸収され東外れとなったが、ベット
タウンとして住民は増え、この間に幹線には新駅が三つも出来たものの、
それでも20分とかからない。





 駅には出札窓口があり、改札口には改札鋏をカチャカチャと鳴らし切
符を切る駅員の姿が見られ、案内所も兼ねたみどりの窓口や、キヨスク
も設けられていた。

 そんな駅から駅員の姿が消えて久しい。窓口は板で締め切られ、変わっ
て無機質で使いにくい券売機が据えられ、改札口には融通の利かない改札
機が居座り、キヨスクも自動販売機や駅前のコンビニが役代わりし、気が
付けば昼間は1本に減っている。





 町に人口が増えたとは言え、期待するほど鉄道の利用は増えてはいな
いらしい。周辺道路が慢性的な渋滞で時間がかかるのも厭わず、多くが
車移動をしているからだ。

 鉄道なら早いが、駅までと駅からの足の確保がいる。場合によっては
駐車場に金がかかる。渋滞に巻き込まれるのは路線バスも同じで、車以
上に時間がかかる、ならばドアツードアの方が便利というわけだ。(続)
(写真:旧JR三江線 本文とは無関係)

 「東海道歩き旅・伊勢の国編」間もなく連載開始します。 



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