簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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金陵山西大寺観音院 (赤穂線・乗潰しの旅)

2020-05-22 | Weblog


 西大寺の中心に鎮座する「高野山真言宗別格本山 金陵山西大寺観
音院」の開基は、今から1200年昔に遡る。
御本尊は秘仏の千手観世音菩薩である。



 旧西大寺鉄道の終点「観音駅」を出て、門前町の通りを700m程行く
と仁王門である。門を潜ると境内で、左手に客殿、右手には経蔵、やや
小ぶりな三重塔が建ち、竜宮城を思わす石門が異彩を放っている
そんな境内には、何故か階段状になった観覧席も設けられている。



 中央には黒瓦葺き総欅造り、五間の本堂を構えている。
階段を上ると本堂で、その正面と両横側が板張りの舞台と成っていて、
これを「大床」と言う。
その正面大床の天井付近には「御福窓」と言われる窓が設けられている。



 ここは日本三大奇祭の一つと言われる「会陽(えよう)裸祭り(国重
要無形民俗文化財)」で知られた所だ。厳寒の二月の深夜、万余とも言
われる褌一丁の裸の群れが激しくぶつかり合い、「宝木(しんぎ)」を
奪い合う豪快なお祭りである。
それを見る場所が観覧席で、宝木を裸群に投下するのがこの「御福窓」だ。



 当日裸の群れはワッショイ!のかけ声も勇ましく、一塊と成って竜宮城
を思わせる石門を潜り、垢離取場で旧年の厄を洗い落とし、ご本尊にご利
益を、牛玉所大権現に御守護を願う。

 その後祭の晴れ舞台であるこの「大床」の上に参集する。
ある者は徒党を組み、ある者はたった一人で、渦巻く裸郡に飛び込み激し
く揉み合いながら宝木の投下を待つ。
そこには一升枡に一人と形容される、数千人もの裸が群れると言う。



 西大寺の会陽・裸祭りは、「備前平野に春を呼ぶ」と言われている。
この祭りが済むと余韻を残した境内には、植木や陶器の市、様々な屋台
が百軒以上も建ち並ぶ後祭りが賑やかに行われ、春を待ち望む人々で賑
わいを見せる。(続)

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