簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

雲辺寺の山下り(四国遍路の旅)

2014-06-06 | Weblog
 67番札所・大興寺までは9.2キロ、長い山下り道が待っている。
尾根上の舗装道の脇に据えられた五百羅漢の石像を見ながら、暫く緩やかに下り、
電波塔の先で山道に入り、ここからは凡そ3.6キロ、標高差700mの下り道を行くこ
とに成る。



 さすがに千メートル近い所から下る道は、勾配はきつく、生易しくは無い。
枯葉の降り積もった道は柔らかく、膝の負担を軽減してくれそうで歩きやすいが、中
には岩が露出し、小さな石で覆われたゴロ石道など滑りやすい個所も多い。隆起した
木の根が露出し、谷底のように深く抉られた道では、どこに足を運べば・・と考えたり、
中々にタフで、登り時間と同じくらい要すると言われる理由が実感できる。





 下り始めて1時間半余り、山中の休憩所で昼食を取る思わぬ人たちと遭遇した。
昨夜同宿した、山仲間の仲良し三人組の女性たちだ。遥か先を先行していると思っ
ていただけに意外であった。
「仲間の一人が足を痛め、ゆっくり来た、大興寺でお昼は遅すぎるのでここでとって
いた」という。





 朝から凡そ遍路が歩きそうもない道を延々と17キロも歩き、その間誰に会うことも
無かっただけに、なぜか懐かしくてホッとした。
この女性たちとはここから先、絡み合うように坂出の町まで進むことに成る。



 凡そ2時間ほどで山道が尽き、ミカン畑の脇を通り抜けるとここからは車道をゆる
やかに下り市街地を目指す。(続)



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66番札所・雲辺寺(四国遍路の旅)

2014-06-04 | Weblog
 四国霊場の中でも最も高い場所にある雲辺寺は、行政上は徳島県に含まれて
いるが、霊場としては讃岐路(香川県)の打ち初め寺である。



 佐野の集落から登山道を登れば徳島県側を、ロープウエーなら香川県側を来る
こととなり、寺域に入ると境内で徳島県と香川県の県境をまたぐことに成る。



 寺は既に鎌倉時代には七堂伽藍が整備され、盛時には十二坊末寺八ケ寺を有
する大寺で有ったという。一時衰退した時期も有ったようだが、「四国の高野」と言
われるだけに伽藍は整備され、中には再建され新しくて立派な建物も多い。



 山の地勢を巧みに利用し、本堂、護摩堂、本坊、茶堂などが配されていて、千メ
ートルの高所にある札所を感じさせない。



 境内に「おたのみなす」のこしかけが有る。
説明によると、ナスの花は一つの無駄なく実となり、「成す」との語呂が同じで、努
力が報われ、願いがかなう縁起物ということらしい。



 昨夜、佐野の民宿岡田には9人の宿泊客があり、満室であった。
その内の一人は番外札所・箸蔵寺に行くと言っていた。しかし他の同宿者は、皆こ
こに来ているはずだが誰一人、と言うよりも他の参拝客も含めだれの姿も見えず、
広い境内が閑散としている。



 いくら遅くても雲辺寺の山登りでは3時間はかからないというので、その時刻から
は既に1時間半以上が経過しているから既に山を下っているということか。
ロープウエーを選択したばかりに、随分と後れを取ってしまった。しかし、そのこと
よりも、苦しむであろう山登りを避け、歩いて登らないというこの弱気の選択をした
ことに、今、いささかの後悔と自己嫌悪を覚えている。(続)



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雲辺寺ロープウエー(四国遍路の旅)

2014-06-02 | Weblog


 「連休中は込み合った」と言うロープウエーも、広い駐車場に止められた車は数え
るほどである。10分ほど待って乗り込んだゴンドラはずいぶん大きくて聞けばスイス
製で101人乗れるとか。
この半端な数字は、お客が切りの良い百人でガイドが一人と言う事であろうか?今、
このゴンドラは我々だけで、貸し切り状態である。



 標高259mの山麓駅から、916mの山頂駅までの全長は凡そ2.600m、高低差660
mを僅か7分でかけ上がる。
山頂の視界は良。気温は14度とのこと。ここに比べると数度涼しいようだ。



 「二人しかいないのだからマイクはいらないよ」と言うと、「そうですね」と素直に応
じたガイド嬢が説明の合間に入れる我々の面倒な質問にも丁寧に答えてくれるので、
ゴンドラ内は途中からまるで三人による世間話の体である。



 この日は「強風の影響で、減速運転しているので10分かかります」という。
それでも中間地点で下りとすれ違うと、結構なスピードで駆け上がっていることを
実感する。



 高度が上げるほどに眼下に視界が開け、三豊平野に広がる箱庭のような観音寺
市の町並みの向こうに、碧い瀬戸内の海、燧灘が見えて来る。
 その海に沿うように座る一際大きな山塊は七宝山か。それに従うように左手に小
さな山が二つ見えている。恐らく左の一番小さい山が琴弾山であろう。今晩の宿は
その麓にとっている。ここから見ると雲辺寺山を下って、さらに気の遠くなりそうなほ
どの距離がまだ残っている。(続)



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