お祭り騒ぎという言葉があるので、祭りと言うからには、騒がなくてはならない。
しかし、静かだ。
玄関の掃除と祭りの幕を取り付けるのにひと汗かいた。
脚立を使っても届きにくいのである。
他の家を見ると、突っ張り棒に通している。
次回はそうしよう。
ついでに、埃っぽい玄関に水を撒いてデッキブラシでこすった。
有線放送で「天気予報では午後に雨が降るということなので、祭り行事は神社から公民館に変更します」とのことだ。
午後2時半、強い雨が降り、玄関先はさらにきれいになった。
太鼓の音が遠くで聞こえると、そわそわする。
いよいよ田んぼの向こうに見える。
3時過ぎにようやく近所に太鼓の音がし始め、様子を見に出ると、隣近所の人がみんな外へ出ている。
お互いに挨拶を交わし、よもやま話をしながら待つ。
隣のおにいちゃんが獅子舞の団長で、おかあさんより
「kouくんも出てくれてありがとう」と言われた。
若者不足で高校3年の孫たちにもお呼びがかかったのだ。
太鼓を運ぶ係だった。
うちの婆様は近所の人の前で、大きな声で「太鼓持ちか!!」と、言うのでちょい恥ずかしかった。「太鼓持ち」と言うのは意味が違う。
近所の友達の家には娘さんが祭りのため里帰りしていて、我が家にも夫の妹や姪が来ていてと、界隈はいつになく賑やかだ。
朝5時から町内188軒を、一軒一軒回るのである。
うちの近所で舞うときは、雨も上がり幸い曇り空だった。
途中雨に見舞われたので、太鼓はビニルをかぶせてあるが、ぶかぶか緩んできて打ちにくいと言っていた。
一旦我が家でガムテープの補強をして、出発。4時近くになっていた。
公民館では(本来は神社が最終だが雨のため)8時40分に最後の舞をしたそうだ。
獅子を舞う人や、太鼓の人は大変だったと思う。今日のために何日も前から稽古もしている。
祭りの日が近づくのが、太鼓の稽古で分かるのだ。
稲刈りを終えた田んぼは、草が生えて緑になっている。
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