弟は9歳年下である。
東京オリンピックの時に生まれた。
8月末の稲刈り時期に生まれ、父は男児誕生を喜んで、稲刈り中の隣のおじさんに大声で報告したのだと母の言。
さて、長い間勤めて来た会社を辞めて、岡崎から戻って来てくれて、母の面倒を見てくれるようになった。
お嫁さんも献身的で本当に頭が下がる。
弟が来てくれるまで、わたしは父の入院中、母の見回りを毎日のようにしていて、仕事の休みの日は母を連れて父の見舞い、病院の支払い、母の買い物の手伝い、我が家の婆様の通院。
仕事、弓道とよくこなしていたものだ。
弟が来てくれて、さぞかし時間がゆったりとするかと思ったのに、空き時間にちゃんと予定がなだれ込んできて泥沼のようだ。
処理能力が落ちてきたせいもあるかもしれない。
さて、人のつながりは不思議なものである。
同窓会で弟の同級生が矢を修理したりしているということで、そのTさんと親しくなったよと前に話してくれた。
私の後輩が金沢で弓具店を営んでいたが、急逝された。
その方の弟さんだった。
金沢の弓具店まで行く時間がないので、簡単な修理をお願いできるかどうかとたまたま電話をしたら、弟は賑やかな中で電話に出た。
友達と吞んでいるとのことで、用件を話したら「今、一緒や」と、なんという偶然。直接話せてよかった。
用件を話し終えてから、弟が電話口に出たので
「わたしも提灯横丁、今から行こうかな」と、冗談を言うと
「だめや!姉ちゃん来たら、人気者になってしまうし」と、笑っていた。
たぶん、姉ちゃんはうるさいし、よくしゃべるので、来てはいかんと言いたかったのだろう。
それを、そう言わずに断るところはさすがである。
優しい弟である。
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