カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

ノート・バンディ、その①

2016年12月28日 22時42分59秒 | インド / INDIA
「ノート・バンディ」

最近のインドではこの言葉を聞かない日はないくらいである。
11月8日の夜にモディ首相が宣言し、翌日から施行された、
「高額紙幣廃止令=500Rsと1000Rs札は廃止」である。
これをノート=紙幣、バンディ=ヒンディー語でクローズと言う。

インドで使われている通貨はルピー(Rs)で、
紙幣は1000、500、100、50、20、10の6種類、
硬貨は10、5、2、1の4種類である。
このうち1000、500Rsの2種類の紙幣を廃止したのだ。

理由は、インドでは税金逃れのため大量の現金を自宅等に保管している人が多い。
要するに収入がある事を申告しないのである。
銀行に預金すると収入がバレるので預金しない人が多い。
もっとも口座を持っていない人もかなりいるのだが。

税金は年収10万ルピー以下の人は無税であるが、
月間8333ルピーで1日277ルピーとすると、
路上の野菜売りやチャイ屋などは、どうなんだろう?
日本人駐在員が利用する社用車の運転手の給料が1万ルピーほど、
自宅のサーバントも住み込みならこの程度だろう。

で、税金を納めていない国民が・・・なんと95%と言うのだから、
恐れ入ると言うかあきれ果てる。

知人から聞いた話では英語の家庭教師をしているインド人の奥さんが、
自宅に相当な現金を隠し持っていたらしく真っ青になったそうだ。
(7年前に私が習っていた先生かも?と思った。)
しかもそのインド人、いったん生徒に支払った全額を戻し、
新札で再度支払ってもらうよう依頼したと言うのだ。
こう言うインド人を懲らしめるためにとった政策なのに、
断れずにいいなりになった日本人も脱税の片棒を担いだと言えるだろう。

自宅に持っていた人は(私も多少持っていたが)、
25万ルピーまでは自分の口座に預金する事が可能だったので、
私も手持ちの1000、500Rsの旧札を施行から5日目に預金した。
インドの場合、決定事項がちょくちょく変わるので、
国の気が変わらないうちに預金しておこうと思ったのだ。

最初のうちは旧札と新札を交換してくれていたのだが、
それさえも一人一回5000Rsまでとかで・・・・。
身分証明書の提示を求められ、爪にインクで印をつけられる。
現在は交換もRBI(インド準備銀行)と言う日本銀行みたいな所のみで、
2016年12月30日まである。

11月9日は水曜日だったが混乱をさけるため銀行は休みになり、
代わりに13日の日曜日が営業になった。

予想通り10日から銀行の前には長蛇の列が出来た。
インドなので手際が良いはずがないので、
その列を見ただけで並んだとしても順番が来ない事は予想が出来た。

しかし、手持ちの現金は私が汗水たらして働いた物で、
税金も払っているので紙切れになるのは避けたかった。
意を決して13日の日曜日に列に並んだ。
朝10時に並び始めた時に既に80人位だったと思う。
13時過ぎにようやく銀行の建物の前まで来たが、
行内にも10人以上並んでいた。

そこから中に入ったら交換の列と預金の列があった。
預金の方は列が短く、しかも早かった。
そこで全額入金した。完了まで3時間40分。
ずっと立っていたので足腰が痛くなったので、
もう並ぶまいと決めたのだった。

そして約1ヶ月半の間、全ての買い物をカードが使える店で行い、
カードが使える店で食事をし、なんとかつないできた。

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする