2007年公開、タイトルはヒンディー語で「地上の星」。
やっぱりアーミル・カーンと言うと、
このような難しい題材の作品と言う印象が強い。
障害を持った8歳の男の子の閉ざされた心を開き、
その人に合ったアプローチと手段で、
才能をさらに磨いていく。
<ストーリー>
8歳のイシャーンが勉強が嫌いなのでできないのか、
できないから嫌いなのか? 解らないところから始まる。
川で小魚をすくったり、近所の犬に好かれたり、
ジグソーパズルを天才的な才能で進めたり、
絵具を混ぜ合わせていろいろな変化を楽しんだりはするけれど、
数学や英語と言う学校の学科には興味がないのか、
集中する事ができないでいる。
平均的な8歳児に比較して能力が劣っているように思われる。
授業中に問題行動を起こして立たされたり、
授業をエスケープして街をうろついたりする。
家庭では学業優秀でスポーツ万能な兄ヨーハーンと、
厳格な父親と母親と暮らしているが、
家庭でも彼の特異な行動は理解されておらず、
もてあまされている。
学校から呼び出された両親は先生方の勧めもあり、
家から離れた寄宿学校へ送る事にする。
普通の学校でも落ちこぼれていたイシャーンは、
寄宿学校になじめず全く授業について行けなかった。
教師は前の学校の教師よりさらに攻撃的でもあった。
追い詰めれたイシャーンは死のうとするが、
隣の席の身体に障害があるが優秀なラジャンに助けられた
しかし一人になった不安と周囲からの恐怖を感じていた。
家庭でも学校でもイシャーンの様子を見れば、
障害がある事は一目で判ると思うのだが・・・・。
8歳の年齢と考えて、話し方や書いた字からも判断できるし、
支度が遅い事や食事の仕方も普通じゃないのに、
なんで気がつかないのか? 不思議・・・。
臨時の教師としてニクンプ(アーミル・カーン)が赴任して来る。
いきなりピエロの扮装で歌い踊りながら登場すると言う、
破天荒なニクンプは障害児の学校の教師であったため、
イシャーンの問題をすぐに把握し失読症であると判断し、
ムンバイの家族を訪ねる。そしてそこで絵の才能を発見する。
家族は普通の学校で問題を起こした事で、
寄宿学校へ預ける事にした経緯を話す。
学校へ戻ったニクンプは授業でアインシュタインや、
エジソンなどの偉人も子供の頃に読み書きが遅れていた事を話す。
そして学長に掛け合って、
放課後にイシャーンに勉強を教える許可をもらう。
次第にイシャーンは読み書きや計算ができるようになる。
さらに全ての生徒と教師を対象に絵のコンクールを行い、
そこでニクンプとイシャーンの絵が最優秀に選ばれる。
そして夏休み・・・イシャーンの家族が迎えに来て、
見違えるようになったイシャーンに感激する。
人との出会いに限らず運命と言うものはあるもので、
必要なタイミングで必要な人や物に出会えると私は信じている。
イシャーンが寄宿学校に行く事になったのは、
自分の希望でも家族の希望でもなかったけれど、
学校の指示により行った寄宿学校で、
知識と経験のあるニクンプが非常勤でやってくる。
そしてイシャーンの才能を伸ばしながら、
遅れている所も補っていく。
この出会いがなかったら、イシャーンも家族も、
周りの人々の人生も全く別の物になっただろう。