2014年の作品。現在はインターネットが普及しているので、
昔のインターネットカフェではなくお茶が飲めて軽食もできる
そんなカフェで、別れ話をしている若いカップルと、
30年振りに再会した初老のカップルの話。
主演は名優ナシールッディン・シャー。
<ストーリー>
設定ではコルカタだが実際にはムンバイのバンドラ地区にある
バードソングと言う店が舞台。
オーナー(ナシールッディン・シャー)が店内で一人の女性を見つけ、
その前に座る。女性(シャナーズ・パテル)は目を上げ顔を見て、
お互いに気づいて微笑み合う。
「あなたのカフェなの?」
「そうだよ、僕が食事を作って食べさせているんだ。」
後ろの席では若いカップルが言い争っている。家族の治療のために
街を去らなければならない女性に男性が詰め寄っている。
オーナーたちの会話:
「どうしていたんだい。聞かせてくれないか?」
「ロンドンに行ったあと結婚したわ。3年前、夫が亡くなったの。
子供も結婚したし、故郷に戻ってみたくなったの。」
「それでまた書き始めたのかい。いつコルカタに戻ったんだい?」
「1カ月前よ。明日、帰るの。あなたの事を聞かせて。」
「あの後から結婚もしていないしGFもいない。」
若いカップル:
残り少ない時間を楽しく過ごしたい女性に対して、
男性は優しく出来ない。いたたまれなくなって席を立つ女性を、
不器用に抱きしめキスをする男性・・・。女性は駆け出す。
30年前、去っていく女性を引き留められなかったオーナー、
今、女性を引き留められなかった若者・・・・
二人がシンクロしていく。
オーナーは30年前の事を後悔しており、飛行機のチケットを
キャンセルし留まるよう説得する。
たったこれだけの物語だが愛と夢があった。
若いカップルにも将来何が起きるかわからない。
私は運命論者なので、30年と言う年月を経て再会した事を
運命であると思う。いい映画だった。
二組のカップルをシンクロさせた描写もカメラワークも良かった。
今まで観た短編の中ではピカイチ、秀逸な作品であった。