2011年の作品、タイトルはヒンディー語で「予約」。
久々に長編映画を観た。アミターブ・バッチャン、サイフ・
アリ・カーン、マノジ・バジペイ、ディーピカ・パドゥコーン
などなどスターが共演している。
2008年にインド最高裁判所が決定した留保政策
(アウト・カーストであるダリットと特定の部族に対して
27%の留保を維持するという法律)に基づいた作品。
具体的には学生の定員の27%に対してダリッドと指定部族の
出身者を優生的に入学させると言うもの。問題となるのは、
成績が合格点数に達していなくても入学させるところである。
私の知人もそのおかげで優秀な(合格点に達した)学生が
入学できなくなるし、大学のレベルも落ちると言っていた。
同様に政治(選挙での当選者数)にも留保政策がある。
サイフは当時40歳だったから大学を卒業したばかりにしては、
ちょっと無理があったかなぁ。
<ストーリー>
ディーパック(サイフ・アリ・カーン)が面接でカーストについて
質問され席を立つ。ディーパックは大学の学長プラバーカル
(アミターブ・バッチャン)にそれを報告する。
ディーパックはプラバカールの娘プールビ(ディーピカー・
パードゥコーン)とは恋仲であった。
マディア・プラデッシュ州の州都ボパールの私立大学で
学長を務めるプラバーカルは、カーストや貧富に関わらず、
優秀な学生のみを社会に送り出す事を理想と掲げており、
公然と留保政策に反対する。カーストの違いによる緊張が
大学内に高まり、ダリッド出身のディーパックと上位カーストの
親友のスシャント(プラティーク・バッバル)の関係も悪化する。
ディーパックはプラバーカルをカースト主義者だと非難し、
それによりプールビに決別を告げられる。
プラバーカルは常任委員会によって辞職に追い込まれ、
後任には副校長ミティレシュ(マノジ・バジペイ)が任命される。
ミティレシュは巧妙に罠を仕掛けプラバーカルの屋敷を
コーチング・センターにする契約書にサインをさせており、
プラバーカル一家を追い出す。
プールビは全てが嫌になり家を飛び出す。ディーパックは
就職のために行ったアメリカでプラバーカル一家の危機を知り、
ボパールへ戻りミティレシュと対決するが、ミティレシュは
メディアと警察を利用し逆にディーパクを逮捕させる。
プラバーカルは自分の屋敷の隣に小さい学習教室を開き、
全ての人に対して無料の教育を提供し始める。スシャントは
ディーパックを釈放させプラバーカルに謝罪に行くが、
プラバーカルは助けはいらないと拒絶する。
成績が上がった生徒が出始めるとミティレシュのセンターから
生徒が移動し始める。スシャントとディーパックは近所で
学習塾を開き、プラバーカルも手が回らなくなり協力を仰ぐ。
困ったミティレシュは警察に手をまわし施設を破壊し始める。
プールビ達は協力者を施設内に集結させ、そうはさせじと
対抗する。にらみ合うミティレシュとプラバーカル。
騒ぎを聞きつけ州知事がやって来て、プラバーカルの熱意と
過去の功績をたたえ学長へ復帰を認める。
マノジ・バジペイの知的な悪役ぶりと、アミターブとサイフの
真面目で愚直なまでの正義が対比される。教育に賭ける
それぞれの熱意に師弟愛、友愛、家族愛、恋愛を絡めた
ストーリーであった。
留保政策については賛否両論あろうが、インドと言う
独特な国には必要かもしれない。必要悪のような気もするが、
下位カーストやアウト・カーストであると、そこから
這い上がるのは至難の業。せめてスタートラインを同じにし、
そこから競争させないと永久にスタートラインに到達できない
可能性もある。