カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~コート~

2021年06月24日 22時03分59秒 | 映画 / MOVIE

2014年の作品、タイトルは「裁判所」、邦題は「裁き」。

裁判のシーンが中心であるが、被告人、弁護人、検事、裁判長の
立場や視点、考え方が浮き彫りにされ、古臭い法律や考え方、
カースト、表現の自由などが入り混じる。

社会活動家がダリット(アウト・カースト)であるために、
よく調べもせず不当に逮捕し、真実を明らかにするより、
葬りさろうとする、インドの現実が判る作品。

監督は「世界で最も将来が期待されている30歳以下の
映画監督の一人」新世代の旗手チャイタニヤ・タームハネー。

法廷での検事と弁護人との対決と法定外でのそれぞれの
プライベートシーンが織り交ぜられており、
深刻(真剣)さとそうでないオフの部分が見られる。
そのあたりがシュールである。

劇中の言語が英語、マラティ語、グジャラート語、
ヒンディー語と多様で良く解らない部分も多かった。

  <ストーリー> 

ナラーヤン(ヴィラ・サチンダル)が子供達に勉強を教えている。
その後、社会活動の集会へ向かい歌を歌っていたところ、
逮捕されてしまう。下水道作業員がナーラヤンの歌によって
自殺に追い込まれたと言う自殺ほう助罪であった。

人権尊重派の弁護士のヴィネイ(ヴィヴェック・ゴンベル)は、
ナーラーヤンの事や下水道作業員との関係を調べる。

検事のヌータン(ギタンジャリ・クルカルニ)は、
ナーラーヤンの前科や人間関係から違法集会を計画していた
などと非難し有罪を意識づける。裁判長(プラディープ・ジョシ)は
公正な裁きをしようとする。

 検事一家が全くの庶民階級で、弁護士の一家が上流であり、
 家、食事、言語、利用する店、家族関係、この辺の対比も面白い。

下水道作業員の妻は夫が作業の前に酒を飲み、
防護服なしで作業していた事、危険で不潔な作業で片目が見えなく
なっていた事などを証言する。ヴィネイは検死報告書から
自殺ではなく事故である事を主張する。

そしてナーラーヤンの健康状態を考慮し保釈を申請するが、
ナーラーヤンは集会に参加し再び逮捕されてしまう。ヴィネイは
証拠が捏造されている事と健康状態を考慮し逮捕を再考するよう、
嘆願するが裁判長は控訴するように伝え閉廷する。

翌日・・・裁判長はバスを仕立て一族でリゾートへ向かい、
休日を楽しんでいた。

 カメラワークも固定カメラを多用しフレームの中で、
 自然な様子が撮られていた。またシーンとシーンのつなぎ目が、
 かなり長かった。この辺も斬新と言うか特徴的である。

 裁判所と言うタイトルではあるが、メインである裁判以外の部分、
 登場人物のプライベートな所も同じ位の比重であり、
 深刻になっていない。普通の裁判はこうなのであろう。

コメント
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