蔵前仁一さんの著書にお世話になった人は多いだろう。
1986年出版の「ゴー・ゴー・インディア」に始まって、
1997年「インドは今日も雨だった」など、
インド専門ではないにしろ、インドが登場する著書は多い。
最近読んだものはインド先住民アートを探し求めた、
2009年の「わけいっても、わけいっても、インド」。
ただでさえインドである、その上、先住民アートであるから、
どこにでも転がっている物ではないのだ。(運が良ければ、
その辺でみつかるかもしれないが。)先住民の住んでいる所へ
行くのはものすごく大変だし、わけのわからない場所へ金持ちと
思われている外国人が単独で行くのは危険である。
私も基本的には芸術に興味があるほうではない。しかし、
新潟県にあるミティラー美術館には2005年に行っているし、
ワルリー画の巨匠(たぶん)が書いた絵ハガキ大の絵を
持っている。
この著書はインドだけではなく中国やアフリカや
行きにくかった時代の諸外国で買い求めたものが紹介されている。
大半は旅の途中で惚れ込んで買うに至った物である。
私にも経験があるが、その場で「欲しい!」と思っても
日本に帰ってから使わない(使えない)物がほとんどだ。
私は物欲がほとんどないので今では日常の物であっても、
必要なもの以外は買わない事にしているのだが、
それでも物と言うものは増えてしまうものだ。
だから蔵前さんの家で一度も使わずに眠っている物の写真を、
見ると私とは趣味も指向も違えど、よくわかるのであった。
と言うわけで、2冊の紹介になってしまったが、
インドファンだけでなく、旅好きの人であれば、
かなり楽しめると思う。